三現主義は問題解決の基本だ。現場で現物を観察し現実を確認することで問題解決をする、この三つの「現」、現場・現物・現実を三現主義という。
会議室に篭って議論しても問題は解決しない。問題は現場で発生している。
現場で現物を観察するのが鉄則だ。しかしこの「現場現物」が「現場見学」になっている事例をしばしば見る。現場で現物をぼんやり「見物」しても現実は確認できない。
ただ現場に行くだけでは「見物」になる。現場・現物で現実を確認するには、仮説を持つ必要がある。仮説を立証するために現場で現物を観察する。
但し仮説はフレキシブルでなければならない。仮説を信じ込んで現場・現物を観察すればバイアスがかかり正しく現実を確認できなくなる。
以前指導した工場では、ベルトコンベアを使った流れ作業をしていた。特定の作業工程がボトルネックとなっており、生産目標が達成できない。現場の班長はボトルネック工程を2人作業として改善しようとした。定石の対策に見えるが、現場見物による安直な解決策にしかなっていない。なぜその作業がボトルネックになっているか現場現物で観察し仮説を立て、現実を確認しなければ有効な対策にはならない。
このコラムは、2020年8月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1020号に掲載した記事です。
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