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リーダの役割

 先週末は「方針管理・目標管理勉強会」のメンバー企業で行なった人事制度改革の事例を、皆でシェアし勉強した。

全従業員の等級を設定し、その役割、報酬、評価基準を明確にしている。この人事制度改革プロジェクトは総経理と人事部門のメンバー計3人で2年がかりで完成されたそうだ。運用が始まったばかりなのでその成果はもうしばらく後にならないと分からないだろうが、非常に完成度の高い制度だ。

勉強会に参加された経営者、人事部門幹部には非常に参考になったはずだ。

私はちょっと違う観点でこの人事制度プロジェクトが大いに参考になった。
制度そのものは私が考えている制度とほぼ同じものだが、非常に高い精度で人事制度及び評価制度が設計されており、完璧な完成度だ。業種が違っても大いに参考になる制度だ。しかし私が参考にしたいと思ったのはここではない。
プロジェクトの進め方を大いに参考にすべきだと思った。

プロジェクトリーダの総経理はまずプロジェクトの理念をメンバーと共有している。しかしそれ以降、ゴールイメージはプロジェクトメンバー全員で作りあげて、プロジェクトをスタートしている。

具体的には、まずメンバー全員で理想的従業員を定義した。そして現状の人財の良い点、悪い点を洗い出す。この両者の差分が、人事制度改革プロジェクトの課題となる。この最初のプロセスをプロジェクトメンバー全員での議論で課題及びゴール(人事制度のあるべき姿)をきめ、具体的制度設計に入った。

プロジェクトの理念(目的)をリーダが示し、メンバー全員の議論で課題・ゴールを決めるという、プロジェクトの進め方が大いに参考となった。

目的を共有しているので、プロジェクトの進むべき方向をメンバー間で共有しており、プロジェクトの進行に偏移があれば自律的に修正することが出来る。更に全員で決定したゴールに対するメンバーのコミットメントは高まるはずだ。

実はこの方針管理・目標管理勉強会は、私もボランティアでお手伝いしている東莞和僑会の活動だ。方針管理・目標管理の勉強以外にも、参加されているメンバーの自主的な発案でこの様な勉強会が開催される。私自身もこの様な会に関与させていただけて大変光栄に感じている。

東莞和僑会「方針管理・目標管理勉強会」は2019年から「マネジメント塾・改善交流会」として現場力向上を目指して会員企業のリーダ育成をしている。

東莞和僑会ホームページ


このコラムは、2018年6月25日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第684号に掲載した記事に加筆しました。

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