中国のコロナ感染もひと段落したと感じていたが、広州で感染者が発見され、ついで佛山、深センでも感染者が出た。広東省では一気に厳戒態勢に戻り、全住民の一斉PCR検査を開始した。
私が住んでいる小区(日本で言えば町内会?)でもPCR検査を受けるよう指示がでた。小区指定のPCR検査会場に行ってみると、大勢の人が検査会場の外まで行列しており、恐れをなして引き返した(笑)
代わりに事務所の近所にある会場に行くと受診者は大勢いるが、検査員が多いため行列は粛々とはけている。
PCR検査の手順は以下のとおり。
- 個人情報をスマホに入力する。(事前に広報されている方法に従って個人情報などを入力、スマホ画面に二次元バーコードが出るように準備する)
- 列に並ぶ
- 列ごとに係員が10名単位に分ける
- スマホの個人情報を係員がスキャン
- 喉の奥に綿棒を突っ込み検体を採取
- 検体の入った試験管と個人情報を紐づける
- 検査センターで検体を検査要請・陰性を判定
- 結果をデータ入力すると各個人のスマホ画面に結果が表示される
7.8.はさらに詳細手順が決められていると思われるが、我々には窺い知るすべはない。
手順を決めておかないと、大規模検査で混乱が発生するだろう。(日本ではワクチン摂取の予約段階で混乱が発生したと聞いている)
1000万人ほどの人を対象として3日間で検査をする。きちんと手順を決めておかねば大混乱するはずだ。ほぼ完璧な手順のように見えたが、現場を見ると大きなリスクが残っていた。私が並んだ列の係員は検体採取作業者の側で個人情報の確認をしないで、次の十人を並ばせた時点で個人情報のスキャンを完了してしまった。
そのため列の順番が入れ替わる、傍から人が入ってくる、などの事態が発生すると、検体と個人情報の紐付けが狂ってしまう。現に私の横の列にでは、柵外から入ってきた人が列に割り込んでいた(苦笑)
別の大規模会場の動画を見るとほぼ同じ手順で行われていた。しかし別の会場では個人情報のスキャンは検体採取の直前に行われており、検体と個人情報の整合性は保たれているように見える。
多分大筋の手順設計者は横入りや、順番の入れ替わりが起きることを想定していなかったのだろう。この場合現場の作業管理者、実作業者が気がつかねばならないのかもしれない。作業指示だけでは気がつかないだろう。その作業の意味を現場に伝えなければならない。
このような観点で、工場での作業手順書を見直してみる価値があるだろう。
このコラムは、2021年6月16日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1150号に掲載した記事です。
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