松下電器産業製の石油温風機で一酸化炭素(CO)中毒事故が相次いでいる問題で、山形県警は山形市の男性(84)が意識不明の重体となった05年12月の事故について、同社の無償修理(リコール)の際の給気ホース交換ミスが原因と判断した。修理した山形ナショナル電機(山形市)の社員(52)を業務上過失傷害の疑いで山形地検に書類送検する。
前回のメルマガではメンテナンスのミスについてお話したが、今回は修理ミスである。
給気ホースの交換作業が不適切であり、作業後の確認も不十分だった。このため給気ホースが脱落、不完全燃焼により一酸化炭素が発生し事故に至った。
記事では交換作業後の安全確認を怠ったと報道している。しかし作業そのものがきちんと品質を保証できるようになっていなかったことが問題である。誰がやっても同じ品質を確保できるように作業標準を決め、作業手順を作成する。これがトラブルの未然防止である。
今回のようにリコールによる作業は作業品質の保証を事前に作りこんでおくことが特に重要だ。
皆さんの工場では工程内で発生した修理品の確認をどうしておられるだろうか。不良と判定した工程に戻しライン復帰させる。これでは不十分と考える。
たとえば電気製品の組み立ての場合不良と判断する工程は電気検査工程が主である。ここで不良と判断されたものはラインアウトし修理されて工程に再投入される。
当然修理には半田付け作業も含まれるわけであるから、半田付けの目視検査から再投入しなければならない。不良が発生した電気検査工程に戻したのでは、修理工程での半田付け作業の品質は検査されないことになってしまう。
通常半田槽を出た直後のタッチアップ工程に「修理品再投入口」と表示をしておき、ここに再投入する。半田付けのタッチアップ、目視検査の後に電気検査を実施するように指導している。こうしておかないと修理作業の品質確認が十分とはいえない。
皆様の工場の修理作業とその確認作業を見直してみてはいかがだろう。
このコラムは、2007年12月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第10号に掲載した記事に追記しました。
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