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ネトゲ廃人

 「ネトゲ廃人」という言葉があるそうだ。ネットゲームにはまり、通常の生活ができなくなっている人をいう。「通常の」というところが微妙だが、一般社会通念から逸脱していることを「廃人」とする様だ。

WHOが「国際疫病分類」に「ゲーム障害」を盛り込むと発表。これを受けてアベマTVが特集番組を組み「ネトゲ廃人」という言葉を知った。

人は社会の中で役割を与えられそれに貢献することでモチベーションが上がる。
従来型のゲーム機によるゲームは、ゲームを終了させることに意欲をもつ。
ネットゲームでは、ネットの先にいる顔も知らぬ人々とともに「戦う」ことでバーチャルな社会が形成される。バーチャルな社会での貢献が、遊びではなく「やらなければならない」という使命感になるという。
ゴールがないネットゲームで、バーチャル社会に対する使命感が、自分自身の役割となりそこから抜け出すことができなくなる。1日20時間もゲームをやり続ける「ネトゲ廃人」をこの様に評価している。

しかし彼らの使命が現実社会における使命となり、社会での役割を得れば社会への貢献に燃え、寝ずに働くのではないだろうか。
我々昭和世代の「企業戦士」(今では「社畜」と呼ばれているが)はその様な社会的使命を持ち役割を与えられていたのではなかろうか。さすがに1日20時間働くことはなかったが、1日12時間働くくらいなら普通だったろう。

ゲームの中で、能力を磨き仲間に貢献し、自己の存在場所を見出す。
会社の中で、能力を磨き仲間に貢献し、自己の存在場所を見出す。

「ネトゲ廃人」と優秀な社会人の違いは、紙一重だ。
部下に使命と役割を与え、貢献意欲を引き出すのは上司の仕事だ。


このコラムは、2018年1月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第618号に掲載した記事です。

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