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モグラ叩き問題

 モグラ叩き問題と言うのは、ゲームセンターにあるモグラ叩きゲームを思い起こしていただきたい。穴から顔を出すモグラを叩くゲームだ。穴から顔を出すモグラと同様に、同類の問題がしばしば発生し、その都度に問題解決をしなければならない問題のことを言う。

本日はなぜモグラ叩き問題が解決できないのかを考えてみたい。

当然モグラ叩き問題が発生している現場ごとに、事情は違うだろう。しかしいささか乱暴だが一言で言ってしまえば「現象として現れる問題にとらわれ、その原因にアプローチしていないから、問題は手を替え品を替えて現れる」と言うことだ。

「人為ミス」による問題に関してしばしばこのメルマガで取り上げている。
人為ミスは「現象として現れる問題」であり「原因」ではない。「人為ミス」と言う言葉を使って再発防止対策を検討している限り、モグラ叩きは続く。

例えば電子部品を搭載したプリント基板を筐体にねじ止めする場合を考えてみよう。プリント基板に実装されたトランジスタなどの発熱部品を放熱のため筐体に密着される様にねじ止め固定する。
このような構造の電子製品は、市場に出てから一定比率で故障が発生する。
プリント基板、筐体のねじ位置の誤差、プリント基板に実装した部品の位置誤差により、発熱部品のリード半田付け点に応力がかかり続けることになる。時間とともに半田フィレットに亀裂が入り、最終的には非導通となり故障する。リード部分に高電圧がかかっていると、亀裂の隙間で放電し発煙出火の危険すらある。

このような故障は、ハンダ割れが発生→半田フィレットに応力がかかっていた→筐体への固定により応力がかかる。と言う具合に問題から原因にフォーカスし対策を検討する。対策としては取り付け方法の設計変更が有効だ。既出荷品や対策完了前の生産には、プリント基板固定後再半田をし、半田フィレットの応力を解放すると言う対策を考えることが出来る。

このように原因にアプローチすれば、問題根絶の対策を考えることが出来る。
しかし問題の原因解析を人為ミスで終わりにしてしまえば、作業員の再教育、作業員の固定、などと言う対策しか出て来ず、人が替わればまた問題が発生する。
人為ミスと言う「現象」にとらわれている限り「原因」にアプローチ出来ない。


このコラムは、2016年2月29日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第465号に掲載した記事に加筆したものです。

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