生産性、品質不良の改善などをお手伝いするのが私の仕事だ。当然未知の技術分野の生産現場、未体験の生産現場もある。過去に行った改善事例の応用で大抵の問題は解決可能だ。しかしお客様が直面している問題に解決策を100%提供できる訳ではない。
私ができることは、課題を定義する、その課題を解決するアイディアが出易い様に課題を構造化する。そして行動を起こす様に背中を押すことだ。このアプローチで顧客の改善リーダが改善を実践することにより、他の問題も同じアプローチで改善できる様にする事が狙いだ。
改善リーダの過去の経験や今後の経験によりネタは増える。あとは成功率5分ならば行動して見るように、改善リーダに勇気を持たせることだ。
ある日系企業で指導した時の中国人改善リーダは、中国人リーダには珍しく自分の能力を過大評価しない人だった。よく言えば「奥ゆかしい」若者だが、悪くいうと自分に自信がない様に見えてしまう。例えば「自分など能力がないから、ろくな改善ができない」などとよくいう。しかし彼は自分なりの発想で改善ができる。「君がやった改善だから、ちゃんと総経理に報告しなさい」と言っても「いやいや、恐れ多い」などと言っている。
こういうタイプの若者を初めて見る(笑)
どうして彼がこういう態度をとるのか、非常に興味がある。
上司の指導が影響しているのかもしれない。
彼の様に非定常作業で創造的な成果を出してもらいたい人材は、飴と鞭式の管理ではモチベーションは上がらない。失敗は成長の糧になるが、強い叱責は積極性を奪う。金銭的な報酬よりも、自己成長の機会を与える方がモチベーションが上がる。
このコラムは、2017年11月27日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第594号に掲載した記事に加筆しました。
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