安全不良と言うのは、不良により顧客の生命・財産の危険が発生するリスクがあるモノを言う。自動車に関しては、外観不良以外全て安全不良であると、言えるかも知れない。
電気製品では、感電、火災のリスクが有る不良は、安全不良となる。
安全不良に関しては、製造現場だけではなく、顧客も神経質となる。
例えば、電源装置の耐圧不良は安全不良となる。以前指導していた電源工場は、耐圧試験機の検査NG信号を利用して、耐圧試験が出るとサイレンが鳴り、ラインが停止する。同時に品証、生産技術のオフィスのアラーム灯が点灯し、エンジニアが1分以内に現場に駆けつける、と言う仕組みを作っていた。そして耐圧不良の原因が波及性が無いと判断出来るまでラインは再開出来ない。
例えば、一次評価で耐圧不良の原因がトランスだと判明すると、更にトランスの不良原因を解析する。トランスを分解して原因を見つけるまで調べる事になる。トランスの場合は、全数仕入れ先工場で耐圧検査をしているはずなので、原因が分かったとしても、その仕入れ先のトランスの使用は凍結する。もし代替え品がなければ、仕入れ先に返却したトランスの再検査が終わるまで生産が止まることになる。
こんな事がしばしばあっては堪らない。
従ってトランスメーカの採用監査は厳重になり、問題が発生していなくても最低年に1回は定期監査に行くことになる。一種の予防保全だ。
ここまでやっておくと、現役時代から10年間9社の電源メーカを指導したが、トランスによる工程内耐圧不良は1度しか記憶にない。(この時は相当酷い目に有ったが・苦笑)
このコラムは、2014年12月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第403号に掲載した記事に加筆したものです。
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