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作業員の質

 最近SNSを利用して中国企業の人事部門、品質部門の人たちと議論を始めた。日本人は私一人(笑)他は全部中国人幹部だ。

ある民営企業の品質部門幹部が、こんな悩みをSNSに揚げた。この企業はSMT部品を実装機にかけられる様にテーピングの作業をしている。作業員の60%が臨時工だ。

しばしば異部品を混入させ顧客クレームを発生させている。品証部門は顧客に対しするクレーム処理に忙しい。彼は臨時工の質が悪いからクレームが発生すると愚痴っている。

SNSのメンバーからは様々な意見・アドバイスが飛び交う。

  • 教育が足りていない。
  • システムに問題がある(ミスに対して罰金だけで、褒賞が足りていない)
  • 工程に問題がある(自動化すればミスはなくなる)
  • 経営者の従業員に対する「愛」が足りない。

臨時工の質に問題があるから、教育する、褒賞を与えてやる気を引き出す。
しかし出された対策では、効果が確信できないと私には思える。

例えば、東京ディズニーランドは90%の職員が臨時工だ。それでも一人一人の従業員が自ら工夫し、顧客の感動を目指して仕事をする。だから多くの顧客がリピータとなって業績が上がる。

確かに「教育」は重要だ。東京ディズニーランドでは1日だけの臨時工でも例外なく1日の導入教育をする。スターバックスでは80時間の導入教育をしているそうだ。この教育の目的は、企業の目的を明確にし従業員の役割を理解させる事だ。
今現在顧客クレームを垂れ流している現状には何ら役に立たない。血を流している患者に、健康の意義を説いても始まらない。

この企業に今必要なことは、まずクレームを撲滅することだ。
現場を見ていないので、確かなことは言えないが、作業そのものが異部品混入のリスクを抱えていると思える。

  • 部品置き場の識別管理ができていない。
  • 作業完成品の識別管理ができていない。
  • 同じ作業台に複数の部品が置いてある。

など現場の問題をしっかり見極めれば、自動化(テーピング中にAOI検査)などの設備投資をせずとも、5Sの徹底で解決するだろう。

その上で、自分たちはなぜ働くのかを明確にし、それを企業文化として育てる。
その役割の責任者は経営者自身だ。経営者の心を変えなければ、この企業は「絶望の工場」のままだろう。


このコラムは、2018年6月11日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第678号に掲載した記事です。

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