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「受かって何になるん?」 大阪検定、逆風でオマケまで

 ご当地検定ブームから遅れること3年、大阪でもようやく「なにわなんでも大阪検定」(6月21日実施)がスタートする。各地の検定が受検者の減少にあえぐなか、主催者側は合格者の特典を充実させ、受検者集めに躍起だ。大阪検定の第1回の申し込み締め切りは5月13日。検定界にナニワの新風が吹くか――。

 (中略)

 来場した同市の主婦吹留あきさん(47)は「大阪検定なんて初耳。受かったら何になるん?」と首をかしげ、「大阪人に訴えようと思ったら、豪華な景品とか、仕事に就けるとか、何かいいオマケがないと」と注文を付けた。

(asahi.comより)

 2007年に久し振りに金沢に行ったときに「ご当地検定」というのを知った。
大学の時の先輩が金沢に住んでおり、「受験勉強」をしていた(笑)市役所の職員でも合格できないほどの難関だそうだ。

このニュースにある大阪のオバサンのコメントが面白い。検定に合格すると言う名誉よりは、実利優先だと言う。

この「大阪人気質」って中国人にも似たモノがあると思う。もちろん13億もいる中国人を一括りに考えるのは。間違いを犯す元だが。

自分に実利があることに対しては一生懸命に取り組むが、実利がないと判断したことに対しては見向きもしない。例えば自分の給与を決定している上司の指示に対しては忠実に従うが、給与決定権のない幹部の言うことは耳も傾けない。こんな傾向がある。

これを「拝金主義」として退けるところからは何も生まれない。むしろ相互の信頼関係を損なうだけだ。

大阪人にしても、中国人にしても「実利」に対する欲求がとても分かりやすい人たちだ。相手がちゃんと見せてくれているのだから、こちらは正しく対応する事が出来るはずだ。

例えば職務分掌に仕事を追加する。多くの場合中国人従業員は、ではいくら給与が上がるのか?と聞いてくる。この要求に対して正しく対応する方法は、要求どおり給与を上げてやることではない。

「仕事の報酬は仕事」であり、それによって得られる能力向上が「長期的な実利」であることをしっかり教えてやる事が正しい対応だと考えている。


このコラムは、2009年5月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第98号に掲載した記事に加筆しました。

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