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蚤の跳躍

 先週は、深セン和僑会で居酒屋「てっぺん」の経営者・大嶋啓介さんの講演があった。

元気が出る居酒屋「てっぺん」そしてその元気のもと朝礼で有名な大嶋さんの講演を聞き、ご一緒に食事をさせていただいた。
中国にいて、こんな機会が得られるなんて、夢のようだ。感謝!

大嶋さんから聞いた話を、皆さんとシェアしたい。

蚤というのは、1mの跳躍力がある。
しかし蚤を高さ30cmの箱に閉じ込めておくと、箱のふたをはずしても30cmしか跳躍できなくなってしまっていると言う。

インド象が、小さな杭に繋がれただけで逃げてゆかないのと同じだ。
象の力を持ってすれば、杭など簡単に引き抜けるのだが、力が弱い小象の時からずっと杭に繋がれ逃げられないと思い込んでいるだけなのだ。

蚤も象も、自分の中に自ら限界を設け、それに縛られてしまっているのだ。

この寓話は人間にも当てはまる。
成功した人と、成功できない人の違いは唯一つ、「成功すると信じる」ことだけだ。成功すると信じているから最後までやりとおす。実はこの世に成功しない人などいないのだ。ただ成功を諦めた人がいるだけ。

中国人の若者を指導していて「没方法」とか「没弁法」という言葉を良く聞く。彼らもまた30cmしか跳べなくなった蚤だ。

「没方法」と言う前に方法を考えろと言いたい。
当然彼らは、考えたけど駄目だった、やって見たけど駄目だった、と言う。
100個の違う方法を考え、100回試してみただろうか?

実は、すべての方法を試すと言うのは不可能なのだ。すべての方法を試す前に、うまく行ってしまうからだ。

では跳べなくなった蚤を、再び1m跳べるようにするのはどうすればよいか?

難しいことではない、簡単なのだ。
1m跳べる蚤を連れてきて一緒においておけば、再び1m跳べる様になる。

「没方法」青年も同じだ。
貴方が諦めない姿勢を見せてやれば、きっと彼も跳べる様になる。


このコラムは、2010年11月1日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第177号に掲載した記事です。

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