中国人財


 中国で仕事をしていて、優秀な作業者、現場リーダーに出会うことがしばしばあった。

夜中に廊下の明かりの下で本を読んでいた女工さん。

レイオフの日に工場に出てきて、電灯の消えた職場で窓の明かりを頼りに電子回路技術という本を読んでいた生産技術職員。

ネジ締め工程で、「このネジが1本無くなったらどうする?」と質問したら即座に小皿を用意し、必要なネジだけを取り置き作業後小皿のネジの過不足を確認するように作業者に指導した女性組長。

こういう中国人財に触れ、中国の若者に日本のモノ造りのココロを教えたい、と思ったのが今の私の原点だ。

その後もクライアント様の工場や会合などで驚くほど優秀な中国人財と出会う。

中国の大学を卒業後、日本の大学院を卒業し2000元の作業員として働く女性。
彼女は日本の大学院で出会った経営者の教えを請うために、彼が経営する中国工場でただでいいから働かせてくれと願い出て、今は作業員として経営哲学を勉強している。

日系企業で働く女性部長。
たまたま同じ会社の日本人上司と知り合った。上司の方は、彼女は外面がいいだけですと謙遜しておられたが、中国人でマインドマップが書ける人にあったのは初めてだ。

シックスシグマの公認マスターブラックベルトの資格を持っている女性。
資格そのものは大して意味はないかもしれないが、その資格を取ろうとしたことそして資格取得のために勉強したことは、高い志を持ち、努力をしたということだ。

こういう志と素質が高い人たちと一緒に仕事をし、彼らの成長の手助をすることが私の本望だ。


このコラムは、2009年11月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第128号に掲載した記事です。

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