製造現場では日々の生産量、不良、故障など色々なデータを記録していると思う。
昨年指導した工場では、工程ごとの生産台数を記録していた。それに加えて投入人員も記録して貰った。これで生産性が分かる。日々の生産性をグラフにしてみると、有る日を境に生産性が飛躍的に向上しているのが分かる。その変節点は「整理・整頓」をした日だった。このグラフから「整理・整頓」により生産性が上がる事を実感出来た。
今年QCCを指導した工場では、設備の故障を記録していた。その記録から設備故障による損失金額を計算する事が出来た。改善活動により年間350万元ほどの損失を低減出来た。もし故障原因も記録していれば、より効果的な設備保全活動が出来ただろう。
工程内不良、客先不良は件数だけ記録していても、不良は減らない。不良発生ごとに、原因を記録しておけば新規製品の設計、工程設計を改善することが出来る。
データを記録する事は目的ではない。記録したデータを活用して改善する事が目的だ。従ってデータは数値データだけでは不十分だ。不良・故障の現象、原因などの言語データが必要だ。これらの言語データにより、潜在問題の予防保全が可能になる。
ルールだからデータを記録するのではない。データを記録する目的を明確にし、どのようなデータをどうやって取得し記録するのか、事前に設計しておく事によりデータは活用出来る様になる。
このコラムは、2017年11月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第588号に掲載した記事です。
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