新幹線緊急停車、1人けが 時速285キロ、部品落ち停電


新幹線緊急停車、1人けが 時速285キロ、部品落ち停電 福岡

 山陽新幹線の小倉(北九州市小倉北区)─博多(福岡市博多区)間で8日、停電が起きて列車が緊急停車し、乗客1人がけがをする事故があり、福岡県警は9日、業務上過失傷害容疑での立件も視野に、車両を実況見分した。JR西日本によると、停電の原因は車両から落下した部品が架線に接近してショートしたためで、部品の固定が不十分だった可能性があるという。

(以下略)

(朝日新聞電子版より)

 事故車輛の写真を見ると、落下した部品が窓のすぐそばにぶつかっている。少し間違えば、落下部品は窓を直撃し乗客に大怪我をさせたかもしれない。

落下した部品は車輛下側に取り付けられたアルミ製カバーの一部。車輛下部のモーターやブレーキを守るため車輛下側を覆っている。カバーが外れ、風圧で車体にぶつかりながら送電線まで舞い上がった様だ。

カバーはネジ2本で固定する構造になっており、ネジは見つかっていない。となりのカバーのネジも1本なくなっており、1本は緩んでいたと言う。

保守点検作業に何らかのミスが有ったのかもしれない。JR北海道では点検作業データ捏造事件が昨年発覚しており、JRの保守点検作業に対する信頼感が揺らぐ事故だ。

事故後の調査で、事故車輛は試験走行に使っている事が判明している。
試験走行後に行われた確認作業でカバーを外し、それが正規の手順で復旧確認されなかったのではないだろうか?

実は工場でも同様の事故はしばしば発生している。
工程内不良品を、班長が修理し正規の工程を通さずに、直接梱包工程に戻した。
開発部門が手造りした、エンジニアリングサンプルをそのまま顧客に出荷した。

上述の2例共に、工程内でQA検査をすると言う正規の手順を外れたため、顧客に不適合品を流出させることになる。

この不適合品の流出は、手順の不適合だけでは発生しない。修理品、サンプルに不適合がなければ何事も起きない。従って手順に不適合が発生していても気が付いていない場合もありうる。

非定常作業にその様な潜在リスクが有る。
対策は「非定常作業を定常作業化する」ことだ。逆説的な言い方だが、例外的作業にリスクが有るので、例外作業を正規作業に乗る様にルール化すれば良いのだ。

工程内不良を修理した場合、再投入する工程を決めておき、工程内QA検査を通る様にする。
顧客に出荷する製品はサンプルと言えど、製造部門で製造する。
この様にルール化しておけば、正常に生産した製品と同等の検査が行われる事になる。


このコラムは、2015年8月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第437号に掲載した記事に加筆しました。

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