管制官居眠り時、別管制室は無人


 那覇空港で9月、管制塔の管制官が居眠りをして全日空便と連絡が取れずに離着陸が遅れた問題で、同じ時間帯に同空港にある別の着陸誘導用の管制室が一時、無人になっていたことがわかった。

 国土交通省が30日にまとめた調査報告で明らかにした。同省によると、9月13日未明の着陸誘導用の管制室には管制官2人が配置されていた。しかし、午前3時16分ごろ、別の管制施設から管制塔の管制官に連絡をしたところ、管制官が居眠りをしていて連絡がつかなかった。そこで同22分ごろに着陸誘導用の管制室に電話をかけたが、こちらも誰も出なかったという。

 国交省の調べに1人は「別の事務室にいた」。もう1人は「トイレではずした可能性が高い」と話したという。同省によると、午前3時台の着陸便は2機あった。同省は「2人勤務が基本なので、今後は徹底したい」としている。

(asahi.conより)

 別の記事によると,女性管制官(妊娠中)は別室で休憩,となっていた.居眠りをしていた男性管制官の気遣いにより休憩していたそうだ.

部下を思いやる気持ちは重要だが,自らの職務の重要性に対する認識はもっと重要だ.仕事に対する使命感が不足しているから,勤務中に居眠りをすることになる.
中途半端な優しさは,部下の仕事に対する使命感をスポイルすることもある.

今回の問題は,妊婦を深夜3時からの勤務にシフト配置したところにあるのではないだろうか.組織そのものが職務の使命,重要性をきちんと認識していれば,そのような時間帯に妊婦を勤務させないだろう.

妊娠・出産という仕事は男性には肩代わりできない.
子供は人類の未来だ.女性は,人類の未来そのものを身ごもり,産み落としている.
女性を尊重し,妊婦を守ることは人類に課せられた任務だ.当然社会・組織もその責任を負うている.

妊婦の体の負担を軽くしてやる.しかしそれは,職務をいい加減にして良いというわけではない.ただの優しさは,仕事に対する責任感と誇りをスポイルすることになる.


このコラムは、2011年10月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第225号に掲載した記事に修正・加筆しました。

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