朝礼の効用


 先週土曜日は「三社交流会」を開催した。

上海の工場に勤務している若い友人Nさんが、副総経理に昇格した。
総経理は、日本本社勤務で、時々上海工場に出張に来るだけなので、Nさんが事実上の総経理だ。
彼は社内を更に活性化させるために、改革を考えた。以前東莞で見学したTさんの工場の様に、社員が感動と共感で一体化した組織を作りたいと考えた。しかし経営幹部が、中国ではそれはムリだ、と反対したそうだ。そこで経営幹部にTさんの工場を見せようと考えた。

Tさんの工場見学を開催したのは私だった。そんなご縁でNさんが私に相談に来られた。

Tさんは最近新工場を内陸部に立ち上げ、そちらの総経理も兼務しているため、ものすごく多忙だ。しかし快くこちらの願いを聞き入れてくださった。Tさんのご厚意に一方的に甘えてはいけないと思い、第七回東莞和僑会で訪問したIさんにも交流会の話を持ち込んだ。実はTさんも、第七回東莞和僑会に参加ご希望だったのだが、別の予定が入ったため、参加出来なかったのだ。

Iさんも副総経理として中国工場の経営を任されている。日本人赴任者は彼一人だ。前任者から引き継いだ途端に、生産性を4倍とし、一気に業績を改善させた。Nさんと同じ様な立場なので、ちょうど良かろうと考えた。

そんな経緯で、三社交流会をすることになった。
実はその日の夜は、東莞和僑会があるので私は出席しないつもりだった。準備が必要だったのだ。しかし、言い出しっぺのお前が参加しなくてどうする、とTさんにお叱りを受けて、参加した(笑)

結論から言うと、私も含め参加者が気付きを得られた。開催してよかった。
違う業種・業界の工場がお互いの現場を見学し合い、経営理念を語り合う事により化学変化が生まれたのだと思う。

改めて気が付いたが、TさんIさんお二人の経営に共通する部分があった。
「朝礼」だ。

朝礼により、必要な情報を共有するばかりでなく、経営理念を理解する、躾の効果もある。そして朝イチの業務から、エンジンがかかった状態でスタート出来るはずだ。
タイムカードをポチッと押し、机に座り、始業のベルにあわせて何となく仕事をスタートしても、いきなりエンジン全開にはなり難い。

朝礼でメリハリを付ける、つまり先に暖機運転をしておけば、エンジン全開で仕事を開始出来る。

今日の業務と、目標を各自が発表するなど、一人ひとりが声を出す様にすると良い。なるべく大きな声を出すのが良い。「お早うございます!」と大きな声を出すだけでも効果はあるだろう。

頭と体はつながっている。大きな声を出すことで、脳が刺激を受けスイッチが入る。以前日本の企業が、朝礼でハイタッチをしているのを見たことがある。居酒屋「てっぺん」の朝礼も有名だ。

参考:「スタッフの夢とやる気に火をつける! てっぺん!の朝礼」大嶋啓介著

中国でも、美容業界を中心に朝礼でダンスをしている。これも同じメカニズムを応用しているのだろう。

こちらの記事もご参考に「てっぺん!の朝礼」


このコラムは、2008年10月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第332号に掲載した記事に修正・加筆しました。

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