遣り甲斐と働き甲斐


 毎月定例で「東莞和僑会」を開催している。東莞を中心とし、香港、深セン、広州からも参加者が有る。工場見学会や、講師を呼んで勉強会を開催して来た。
4月から、少し方向を変更し参加者の問題や課題を自分たちで話し合う交流会形式を取り入れている。居酒屋に集まったメンバーで侃々諤々やる訳だが、話題が「軟らかい」方向に片寄らないだろうか、と言う当初の懸念は全く外れた(笑)かなり本質的な問題や課題を、真面目に楽しく語り合っている。

5月の交流会では、従業員に「遣り甲斐」とか「働き甲斐」を感じてもらう為にはどうしたら良いだろうか?と言う議論をした。

従業員が遣り甲斐、働き甲斐を持って仕事に取り組めば、当然仕事の効率は上がり、成果も大きくなるはずだ。

個人的には「遣り甲斐」と「働き甲斐」の違いはどこに有るのか、其々中国語では何と言えば良いのか、に興味が有る。メンバーの問題意識は更に高く、修辞的な問題を越えて実践的な問題・課題に話が集中した。

そんな議論を通して自分なりに考えたことをシェアしたい。

辞書を引いてみると、
遣り甲斐:物事をなすに当たっての心の張り合い。しがい。
働き甲斐:働くことによって得られる結果、喜び。働くだけの価値。
と出ていた。

どちらも心の状態を指す言葉の様だ。仕事にフォーカスした遣り甲斐が働き甲斐と言っても良かろう。
行動に伴う心の充実状態を遣り甲斐、働き甲斐と言い、その集大成が生き甲斐と言う「あり方」に伴う心の充実状態になる。と、こんな定義を考えてみた。

では、働き甲斐はどこから来るか。

  1. 職場における信頼関係
    信用されている。相互に尊敬しあう関係に有り、尊重されている。
    コミュニケーションが活発。組織が公正である。
  2. 誇り
    自分の仕事が顧客、社会、会社、仲間に価値を与えてると実感出来る。
  3. 連帯感
    自分は組織に支えられており、自分も組織を支える存在であると言う
    一体感を実感出来る。
  4. 成長実感
    仕事を通して自己成長を実感出来る。
    1. もっと有りそうだが、基本的なことは上記の4つではなかろうか。
      この4つを実感出来る組織を作ることが、経営者や経営幹部の役割だ

        働き甲斐を感じていない人。

      • 自分は恵まれていない。上司や職場環境のせいでやる気が出ない。
      • 製造部門の品質意識が低いから、今日も顧客クレームが来た。
      • 「尻拭い」の仕事はうんざりだ。
        働き甲斐を感じている人。

      • 自分は恵まれている。上司からは信頼され、仕事を任されている。
      • 困っている顧客を助けている。
      • この仕事に意義を感じている。

      どちらの従業員のパフォーマンスが高いかは一目瞭然だ。
      あなたも働き甲斐が高い職場をどうすれば実現出来るか考えていただきたい。
      メルマガ上でも意見交換が出来ればと思っている。


      このコラムは、2015年6月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第427号に掲載した記事に加筆したものです。

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