時間を味方にする


 人には、生まれて来てしまった国の差があり、貧富の差がある。
社会や家族に守られて育つのと、まずは生き延びる所で戦わなければならない生き方では、天地の差がある。

人にとって時間だけは、人種、貧富の差に関係なく平等だ、と良く言われる。しかし時間にも、富める者と貧しい者がある。富める者にも貧しい者にも、一日24時間という時間は公平にある。しかしこの時間の使い方で「時間長者」「時間貧者」の違いが発生する。

つまり時間を味方に付けた者が「時間長者」となり、時間に追われている者が「時間貧者」となる。

毎日コツコツと継続して来た者は、一年後には他者が追いつけない所にいる。
その努力を継続すれば、一年後に来た者は二倍の努力をしなければ、一年で追いつけない。

逆に言えば、時間を二倍の効率で使う工夫が出来る者は、継続により更に大きなアドバンテージを築く事が出来る。

例えば創業100年の企業が,毎日毎日積み上げて来た信用は、参入障壁となる。

時間を味方に付けるとは、継続する事と、時間を有効に使う事だ。人も企業も一瞬には育たない。毎日の継続が勝負だ。

ある地方都市の商店の三代目は、自分が経営者になった時に、街中の人から祝福された。それは祖父に当たる創業者が、災害時などに街の人々を救う徳を積んでいたからだ。人々は口々に、あなたのおじいさんには世話になった、困ったことがあればすぐに助けにくると言ってくれたそうだ。

今日明日の利益を追わない、10年後、20年後、100年後を考えて時間を使う。孫の代に、その結果が戻ってくる。
100年、200年の単位で事業を考えることができる人は、業界を変える事が出来る。


このコラムは、2013年9月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第328号に掲載した記事に加筆したものです。

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