良く指導先の現場で「作業員は先生です」といっている.
ほとんどの場合通訳が意味が分からずぽかんと私の顔を見ている.または全然違う意味のことを言っている.従ってここだけは自分で中国語で言わなければならない.
無理もない,中国の工場ではほとんどの作業員は中学しか卒業してなくて都会に出稼ぎに来ているのである.中にはちゃんと中学も卒業していない子も混じっている.それを「先生だ」というのだから通訳も「!?」となってしまうのも無理はなかろう.
作業員は毎日何千回も何万回も同じ作業を繰り返している.それなりに効率のよい方法を編み出しているものだ.作業者の動作をじっと見ることにより,改善するべきところが見えてくる.
作業者は何も言わないけれど,問題点や,改善すべき点を教えてくれているのである.
現場のリーダは作業者の動作を,白紙の心でじっと見て勉強すべきである.
現場リーダの中には心得違いをしている者がおり,作業者を従わせるのが仕事だと思っている.本当の仕事は,作業者が仕事をやりやすく(生産効率の改善)することだ.
標準外作業で不良が出ると,対策書に「作業者に標準作業を教育しました」という回答が書いてある事がよくある.
作業者が標準作業を出来ないのには理由がある.
1.標準作業を知らない
2.標準作業を知っているが,うっかりした
3.標準作業がやりにくい
作業者の動作をよく見て,本当の原因を作業者から「目で聞く」ことが必要だ.
それぞれの理由に対して,対策が違ってくるはずである.
読者の皆さんは,ご自分の工場の状況に合わせてどんな対策が必要なのか考えてみてください.