先週の作業の標準化に対してメルマガ読者H様から投稿をいただいた.
皆さんとシェアしたいのでご紹介する.
H様のアイディア
作業標準書を作るのが一番上手なのはそこの職場に長年いるパートのおばちゃん(笑)
それも、いきなり「作業標準書」を作るというと相手もひくので(苦笑)
料理好き?得意料理何?という話題から入って、「その料理どうやって作るの?」と聞くとこうやってあーやってとわかりやすく言ってくれます。「そうやると上手にできるん?」と聞くと必ず「そうよー」と言ってくれるので、そこで、「それなら、その料理が上手にできるみたいに、今やっている仕事はどういう風にするか教えてよ」というと、意外とすらすらと出てくるものです。
この時は、思いっきり口語でいいと思います。あと、手順書らしい文体にするのは班長の仕事(笑)
私の経験では、この方法で口説き落として作成してもらっていました。
その職場の人の意見も取り入れることにより、「班長や職長が勝手に作った」という気持ちがなくなり(この気持ちがあると形だけの作業書になってしまいます)
のちのちスパイラルアップにも役立ちます。あと、作業標準も時と場合により、掲示や記録表に併記も有効に活用するといいですよね。
本来作業を一番熟知しているのは,班長でなければならないはずだ.しかし毎日同じ仕事を何百,何千回と繰り返している作業者の方が熟練している.その熟練の過程で小さな工夫の積み重ねで,班長より速くかつ楽に作業をするコツを体得しているものだ.
これはなかなか言語化するのが難しい.
これをH様のようにまず話しやすい雰囲気を作り,そのコツに焦点を当てて聞き出す.聞き出した内容を作業標準に落とす.この「キキダス」作業標準が作業者の効率のばらつきを埋めより高い生産性を実現する.
非言語的なコツ(暗黙智)を他の作業者でも分かるように形式智化するということだ.
更にH様がご指摘しているように,作業標準は自分達の工夫を盛り込むものだという理解が更に良い作業標準に進化する.
「ねぇねぇ,こんな風にやってみたらもっとうまく行くよ」という会話がおばちゃんたちから出てきたら最高だ.
作業標準は決めたその日から改善の対象としなければならない.
M様からもメールをいただいた.
いつも、楽しく読ませていただいています。
私も昨年まで、6年間中国の工場に駐在していましたがいまだに作業指導書がない工場があったのは驚きでした。
中国も不況で大変でしょうが、これからもがんばってください。
機械設備など一品物を造られている工場は別として,日系工場で作業指導書がないところはまだ見たことがない.
メルマガで紹介した中国企業のように,日本人の指導が入っていない工場だとまだこんなものなのかも知れない.
まだまだ日系企業の優位性がある.
さて今回は【お題】を用意した.
皆さんは作業現場の工夫をどのように作業標準化しているだろうか.
皆さんの工夫をご投稿ください.
このコラムは、2009年1月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第78号に掲載した記事です。
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