以前何度か、成功の反対は失敗ではない、という趣旨のコラムをメルマガに書いた。
成功の反対語は失敗ではなく、むしろ失敗は成功の秘訣だと思う。
優秀な経営者の失敗例を見てみよう。
- スティーブ・ジョブズ(Apple)
LisaやNewtonの開発などの失敗例は多くあるが、ジョブズの最大の失敗は自ら招聘したジョン・スカリーにApple社を追い出されたことだろう。 - ビル・ゲイツ(Microsoft)
マイクロソフトの最大の失敗はモバイルOSの覇権争いに敗れたことだろう。 - マーク・ザッカーバーグ(Facebook)
彼は「長年にわたり、私は皆さんが想像できる限りほぼすべての失敗を経験してきた。多くの技術的なミスや割に合わない取り引きをした。信用すべきでない人たちを信用し、才能ある人たちをふさわしくないポストに就けた。重要なトレンドを見落としたり、乗り遅れたりすることもあった。相次いで製品を送り出しては、失敗を重ねた」と言っている。 - ジェフ・ベゾス(Amazon)
彼はイーベイのオークションビジネスを真似しようとして見事に失敗。Amazonのプラットホームを他社に貸し出すサービスを始めて失敗している。
優秀な経営者ほどたくさん失敗しているのではなかろうか。失敗経験がカンを育てる。それが成功につながる。
スティーブ・ジョブズはAppleを追い出されたおかげで、ピクサーを起業し、Appleに復帰後iPhoneを世に送り出している。
ビル・ゲイツはモバイルOSは取れなかったが、マイクロソフト帝国は健在だ。
マーク・ザッカーバーグのFacebookはアクティブユーザが20億人、売り上げ1兆円規模。Facebookは世界一の人口を有し、FacebookよりGDPが小さい国はいくらでもある。
ジェフ・ベゾスの失敗は、アマゾンマーケットプレイスとしてリベンジした。
失敗をしない経営者は成長しない。失敗しないように消極策ばかり選ぶので成長しない。
このコラムは、2020年7月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1009号の編集後記に掲載した記事です。
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