100%成功したら面白みも何もないんです
NTN 会長 鈴木 泰信 氏
7~8年前になりますが、若い人が動圧軸受という新しいアイデアを生み出してくれた。社内で反対があったのですが、開発を続けました。ありがたいことに、それが日本電産さんのHDD用のモータに用いられる軸受に育ったんです。
全文(日経ものづくり Tech-On! より)
ハードディスクドライブのスペインドルモータの軸受けの開発を若手のエンジニアに任せて成功を収めた。今ではこの製品が月産1000万台だそうだ。
鈴木氏は経営者として迷いもあっただろうが、「チャレンジする機会を若者に与えてあげられるかどうかが経営者の責任」と開発を続けたそうだ。こういう経営者の元で働く若いエンジニアは意気に燃えるであろう。
鈴木氏のプロフィールを見ると、製造部門を長く担当しておられたようだ。設備は高さを低くし見通しを確保しなければならない。大きさは1/2。など製造現場で活躍しておられた方だから出てくる言葉だ。
私のパートナーも同じ考えだ。彼が設計する生産設備は「デスクトップ設備」というコンセプトでできている。
- 大きさは作業台の大きさまで。
- 完全自動は狙わない。
- 人と調和を持って生産する自働機を目指す。
こちらのアイディアがすんなりと伝わるのは基本的なコンセプトが一致しているからだと思う。
まず私が徹底的に現存のラインのムダ取りをし、彼の設備を導入して更に改善するというスタイルでコンビを組んでいる。まずムダ取りを先にして置かないと、ムダも一緒に機械化してしまう可能性がある。そんなコンビでの仕事は、生産スペース1/2、生産性50%アップ、リードタイム1/6を実現化した。
このコラムは、2018年5月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第32号に掲載した記事です。
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