颜渊、季路侍(1)。子曰:“盍各言尔志。”
子路曰:“愿车马衣轻裘(2),与朋友共,敝之而无憾。”
颜渊曰:“愿无伐善,无施劳。”
子路曰:“愿闻子之志。”
子曰:“老者安之,朋友信之,少者怀之。”
《论语》公冶长第五-26
(1)侍:傍に立ってかしずく
(2)衣轻裘:上着や軽い毛皮の衣服
素読文:
顔淵季路侍す。子曰く:“盍ぞ各尓の志を言わざる。”
子路曰く:“願わくは車馬衣軽裘を、朋友と共にし、之を敝りて憾み無からん。”
顔淵曰く:“願わくは善に伐ること無く、労を施すこと無からん。”
子路曰く:“願わくは子の志を聞かん。”
子曰く:“老者は之を安んじ、朋友は之を信じ、少者は之を懐けん。”
解釈:
孔子が季路(子路)と顔淵に向かって志を問うた。
季路は仲間と物を分け合い、それを破損しても怒らない様にしたい、と答える。
顔淵は良い点を誇ることなく、労を衒うことなく自分がなすべきことをやりたい、と答える。
季路に問われた孔子は、老人の心を安らかにし、朋友とは信を持って交わり、年少者には親しまれたい、とだけ答えた。
下村湖人は「論語物語」の中で次の様に解説しています。
孔子の言葉は季路にはあまり響かなかった様だが、顔淵は自分の考えに自己中心的な面が残っているのに対し、孔子の考えが他者中心であることを知り、自分の足りなさを恥じた。