改善活動・QCC活動などを指導していると「見せかけの改善」を見かける事がある。見せかけの改善とは、確かに改善にはなっているが利益には貢献しない改善をいう。
例えば、作業改善や不良改善を実施し年間〇〇万元の効果が出たと試算しても、生産が打ち切りになってしまった。
この様な「見せかけの改善」が発生するのは、改善計画に問題があるからだ。
経営に貢献しない改善活動は「お遊び」だ。改善活動のテーマを選択する時に経営に貢献するかどうかをきちんと見極めなければならない。
利益貢献は無くとも、その他で経営に貢献するのであれば意義はある。
例えば、活動を通して現場メンバーの改善能力向上を狙っているのであれば「お遊び」とは言い過ぎだろう。
生産能力以上に受注があり、会社の収益にも貢献する製品の生産性改善は至急取り組むべき改善活動になる。
しかしこの様な改善活動であっても、ボトルネック工程以外の生産性改善は「見せかけの改善」だ。ボトルネック工程以外の生産性を改善しても、製品の生産性は変わらない。むしろ中間在庫が増えて悪影響を及ぼす。
こちらの「見せかけの改善」は改善すべき製品の選択は間違っていないが、改善すべき工程が間違っている。改善活動を開始する時に、正しく工程分析をしなければならない。
このコラムは、2019年4月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第806号に掲載した記事です。
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