現在QCC道場で指導しているチームの中に、香港企業の中国工場のチームがある。彼らは、取引先の日系企業に誘われて参加した。QCC活動に取り組むのは初めてである。というより社内で改善活動をしたことがあるのだろうか?というレベルだ(苦笑)
しかし最後まで一生懸命ついてきてくれている。
彼らを指導していて「改善活動はかくあるべき」という初歩の認識を思い出すことができた。
まずは正しく原因を特定する。
原因とは不良の原因だったり、生産性を阻害している原因だが「真の原因」でなければならない。例えば「検査粗忽」(中国語で検査ミスのこと)が原因とすると「検査員の指導」とか「検査手順書の作成」などという効果が実感できない対策しか出てこない。本当の原因は検査員のミスではなく、工程内で不良を作り込んでしまったことである。検査ミスは不良流出の原因でしかない。
本当の原因に対策をしなければ改善はできない。
別のチームは表現力を上げる必要がある。(こちらのチームメンバーは比較的年齢が高い)彼らは素晴らしい改善に取り組んでいる。0.1%程度の不良を撲滅し全数検査を止める改善だ。言葉で説明を受けても全く理解できなかった(笑)動画で表現をしたらすごい加工をしているのだと理解できた。動画も表現力アップの手段だ。
彼らの発表資料を見ると、ExelやPowerPointの使い方で損をしている。
ダラダラと文字だけで表現を試みたり、図表の作成が手慣れていない。
プレゼンだけうまくても、改善はできない。でもプレゼンの技術が良ければ、全数検査を要求している顧客を納得させることもできるだろう。
このコラムは、2021年7月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1160号に掲載した記事に加筆しました。
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