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不良原因

 仕事柄非常にたくさんの不良再発防止対策書を見てきたし、自分自身で書くことも少なからずあった。本人は真剣に書いているのだろうけど、頓珍漢な対策書もある。詳細は書けないが、面白い(笑)事例をご紹介しよう。

研磨工程での傷不良に対し「力加減が不適切」と一次原因を分析、更に二次原因を「自主検査能力不足」としてあった。

これは全く論理があっていない。力加減が不適切ならば、傷がつくこともあるだろう。しかし自主検査能力不足が原因となって力加減の不適切は発生しない。

この様に逆から読み直してみれば、論理矛盾にすぐ気がつく。

連関図で一次、二次と直列につなぐからおかしくなる。

「力加減が不適切」は発生原因。
「自主検査能力不足」は流出原因。

発生原因と流出原因が重なると不良となる。連関図ではこの二つは並列になる。
簡単なことだが、担当している本人は気がつかなかったのだろう。こういう間違いを防ぐため、以下の様に指導している。
連関図(なぜなぜ5回)は逆から読んで見て論理矛盾がないか確認する。
不良原因は発生原因と流出原因をそれぞれ別に分析する。


このコラムは、2017年12月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第605号に掲載した記事に加筆しました。

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ブレインストーミング

 先週末は品質道場で「新QC七つ道具」を勉強した。
少人数で実習を取り入れながらやっている。知識だけではなく、即応用の能力を磨いていただいている。

ところで新QC七つ道具は一般的には、以下の7つをいう。

  • 親和図法
  • 連関図法
  • 系統図法
  • マトリックス図法
  • アローダイアグラム
  • PDPC法
  • マトリックスデータ解析法
  • 問題の原因分析や対策立案などに威力を発揮する手法が取り揃っている。
    品質道場では、マトリックスデータ解析法の代わりにブレインストーミングを入れている。

    マトリックスデータ解析法とは多変量解析の一つであり、顧客アンケート結果から顧客要求の傾向を掴む、などの応用に使える。しかし工場の改善活動などに関わる人たちに活用する機会は少ない。より汎用性が高く、活用できる場面が多いブレインストーミングを覚えた方が良いと考えている。

    ブレインストーミングは、学校教育にも活用されている。ホームルームの時間にブレインストーミングを活用している高校があるそうだ。また企業内での企画会議で、ブレインストーミングをすると良いアイディアが出るだけでなく、チームの結束が高まる、仕事が楽しくなるなどの効果がある。

    面白法人「カヤック」という変わった企業の創業者・柳澤大輔氏は社内でブレインストーミングを活用していると言っておられた。

    参考:「カヤックが社員に約束できること」」

    初めてQCC活動をするメンバーを集め、自工程や他の工程の改善課題をブレインストーミングであげると、あっという間に5、60個の改善課題が出てくる。「言えない問題」「言ってはいけない問題」が一気に噴出してくる(笑)
    工程の組長さんたちの関係が悪化するのではなかろうかと心配したが、無用の心配だった。逆に組長さんたちがお互いの苦労を理解し合い、助け合う機運が生まれた。
    ブレインストーミングにはルールがある。正しく運用すればこうなるはずだ。
    正しく運用しないと「話し合い」は「言い合い」になってしまう。


    このコラムは、2017年8月11日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第548号に掲載した記事に加筆修正しました。

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スケジュール管理

 突然オフィスを引っ越すこととなった。今のオフィスに引っ越して丁度2年。
そろそろ賃貸契約の延長をしなければと考えていたら、大家さんから呼び出しがかかった。もっと条件の良い借り手が見つかった様だ。新しい借り手は、2年分先払いをするそうだ。
2年分の家賃を先払いする余裕は有ったが、チャンスが来た時に支払済の家賃が足を引っ張らない様に(笑)フリーハンドをキープすることにした。

そんな訳で、急遽オフス探しに炎天下を歩き回った。最終的に先週月曜日助手と、ほぼ一日がかりで候補物件を歩き回り決定した。

なかなかいい感じのオフィスだ。
表通りに面した棟のオフィスも紹介された。現在別の人が使っているが、部屋代を滞納しており、そろそろ空けてもらう時期だそうだ。こちらのオフィスの方が断然良さそうだ。
予約金を支払う際に、こちらのオフィスが空いたら変更する様に依頼した。

引っ越し日程は決定したが、引っ越し先はどちらのオフィスになるか決まっていない(笑)

早速引っ越しのスケジュールを作成した。
引っ越しと言っても、荷物をまとめて運べば終わり、と言う訳には行かない。

オフィスの内装工事業者の手配。
運搬業者の手配。
空調設備の取り外し・設置の業者手配。
ネットと電話は、引っ越しの当日から使用可能にしたい。
登記住所の変更。
会計事務所への連絡。
新しい名刺の印刷。
お客様へのご挨拶。
新オフィスお披露目パーティの準備。

などなど細かな項目が山ほど有る。

例えば、内装業者、運搬業者、空調の設置業者は、引っ越し日程決定後、手配可能となる。しかし新しい名刺の印刷は、オフィスの部屋番号が確定するまで着手不可能だ。

これらを整理し、最速着手可能日・最遅完了日を明確にするのが、新QC七つ道具の「アローダイアグラム」だ。

引っ越しの様な単純なプロジェクトでも、アローダイアグラムを描くことで、必要な作業項目が全部挙がっているかどうか、余裕がない作業(クリティカル・パス)はどれか、を見える化し確認することができる。

今週は何件か仕事が入っており、相当忙しくなりそうだ。
オフィスのホワイトボードに、アローダイアグラムをプリントアウトして貼り出してある。朝礼で進捗を確認しながら、準備をすることになる。

今週末は品質道場で「新QC七つ道具」の研修をする。アローダイアグラムの演習は、引っ越しプロジェクトになりそうだ(笑)


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