学校の試験は、問題に対して基本的には正解は一つしかない。
しかし現実の問題には、複数の答えがあるはずだ。
たとえば工場で製品の不良をなくす、と言う課題があったとする。
この課題に対して一番確実な解は「生産しない」だろう。
これを正解とするかどうかは、それぞれに事情が違う。しかし造らなければ生産不良は発生しない。
あらゆる問題に「制約条件」があるわけだから、「造らない」を解として採用するかどうかは別の話だ。ブレーンストーミングでアイディアがなかなか出てこないのは、「正解」にこだわりすぎているからではなかろうか?
論理的に考えても1+1が2にならないことはいくらでもある。
たとえば、白米1合と小麦粉1合を混ぜても2合にはならない。
水は100℃で沸騰するというが、それは1気圧環境下での話だ。
本来、問題解決時に求めるのは「正解」ではなく「最適解」と考えるべきだ。
従って垂直にナゼナゼを繰り返すのではなく。水平にもナゼを広げる方が多くの答えが見つかり、その中から最適解を選択することができるはずだ。
こういう発想を「水平思考」とか「ラテラルシンキング」という。
先週取り上げた、日本政府の「儲かる産業にシフトする」という方針が唯一の正解ではないと思う。
このコラムは、2021年10月25日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1206号に掲載した記事です。
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