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ラピート台車亀裂

 大阪・難波駅と関西空港を結ぶ南海電鉄の特急「ラピート」の台車に約14センチの亀裂が見つかった問題で、以前にも別の車両の同じ部分で亀裂が見つかっていたことが同社への取材でわかった。この亀裂を含め、同社はここ2年間、計4両で七つの亀裂を確認。国の運輸安全委員会は構造上の問題がないか調査している。

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(朝日新聞ディジタルより)

 南海電鉄は他の車両の台車を緊急点検し、別の車両でも溶接部分で約10cmの亀裂が見つかった。17年11月、1車両から約17.5cmと約3.8cmの亀裂を確認したほか、今回約14cmの亀裂が見つかったのと同じ車両から約4cmと約6.5cmの亀裂を発見。19年4月、別の車両で約14cmの亀裂を発見している。

過去に類似の事象がありながら、運輸安全委員会は今回ようやく、本件を「重大インシデント」に指定し調査を開始している。

17年に亀裂を発見した時、南海電鉄は運輸安全委員会に報告をあげている。しかしこの時運輸安全委員会は、「修理するまで運行していない」ことなどを理由に重大インシデントに認定しなかった。本来重大インシデントとは,人身事故には至らなかったが重大な影響があると想定される事故を意味するものだ。そして今回発生しなかった重大事故を未然に防止する活動を起こすのが本来の姿のはずだ。

運輸安全委員会のホームページには,17年の事故に対する調査報告はない。

新聞記事によると、亀裂はモーター(710kg)の荷重を支える箇所に発生。その部分は溶接部位となっている。

機械工学に関しては素人であるが、溶接箇所に応力や衝撃がかかり続ける構造とするのは設計ミスなのではなかろうか?

以前メルマガに書いたのぞみ34号台車亀裂は、溶接部位を研磨したことにより溶接部位の強度が低下し発生した。

のぞみ34号トラブル

最初に発見したラピート台車の亀裂を、専門家が調査していれば今回の事故は発生しなかったのではなかろうか?のぞみ34号の事故は2017年12月に発生している。南海電鉄はのぞみの事故後に自社の台車亀裂を見直すチャンスがあったはずだ。


このコラムは、2019年9月4日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第871号に掲載した記事です。

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