私が幼少の頃、母方の祖父が亡くなった時は電報で連絡が来た。今の若者で「ウナ電」という言葉の意味を知っている人はいないだろう。
電報どころか葉書を出す機会もほとんどなくなった。
私が学生の頃はコンピュータといえば工学部の計算機室に控えており、利用者はパンチカードを持って利用しに行った。
学会に参加した時に京都大学(だったと思う)の人が、インテル8080を使って実験データを実験中にその場で処理した、という発表を聞いた。
東京の企業に転職し、DECのミニコンで開発しているのを目の当たりにした。
地方都市の零細企業との差を実感したが、ミニコンのプログラム開発がラインエディタで行われているのに驚いた。当時からAPPLEはスクリーンエディタが使えた。
技術が進歩すれば、ルールも変わる。
通信技術の進歩により、電報は電話になり、手紙はメールとなる。
さらにコンピュータ処理はオンデマンドが当たり前となり、電車の乗車券は電子決済となった。
新しい技術には新しいルールを適用しなければならない。
コンピュータの活用は、バッチ処理からオンデマンドになった。つい最近まで発注伝票の処理が毎週末にバッチ処理するルールになっている企業があった。この企業に納品する会社は、週末に納品しに行ったら発注キャンセルと知らされ翌週月曜日に納期変更の伝票が届く、と愚痴をこぼしていた。
またMRPシステムを導入したが、一向に部品欠品や余剰が解決しない。原因を調べてみると、MRP導入後在庫管理を従来と同様に月に一回しか実施していないことが原因と判明した。MRPがあれば、棚卸しをしなくても在庫数量は正確に分かる。入出庫のたびに在庫確認ができるはずだ。
このコラムは、2021年3月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1107号に掲載した記事です。
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