本日のテーマの中で小さな目標設定の話を書いた。
以前勤務していた会社で開発チームのリーダ(係長職)をしていた時の事を紹介したい。当時も自分はまだ未熟であり必ずしもよい例だとは思わないが、昔話にお付き合い願いたい(笑)
当時はシステム製品のマンマシンインターフェイス周りのハードウェア設計と周辺装置を担当するチームのリーダとして仕事をしていた。6人の小さなチームだった。
主力製品の大きなモデルチェンジ開発の最中であった。大きなプロジェクトで構想から製品リリースまで3年くらいかかったと記憶している。我々ハードウェア設計チームも1年以上このプロジェクトに投入された。全体ではアーキテクチャ設計、ソフト開発、電気設計、機構設計のメンバーだけで300人ほどのビッグプロジェクトだ。
我々ハードウェア設計チームは、アーキテクチャ設計をブレークダウンした設計仕様に従ってまずプロトタイプを作る。これをソフト開発チームに開発環境として引渡し開発を進めるのである。
この間に回路設計、プリント基板の設計、試作品の製作、製造図面の出図、ハードウェア仕様書の出図、新規採用部品の登録作業、試作品の評価作業、ソフトチームに渡したプロト機のメンテナンスなどなど膨大な作業があり、来る日も来る日も残業の毎日である。
その内に基本設計に破綻があるところが見つかったりして振り出しに戻ったりすることもあった。このような大きな変更は何度も発生はしないが、ソフト開発チームからの変更要求はちょくちょく来る。
ハードチームのメンバーは一生懸命積み木を組み立てている最中に下の方から崩されてしまうような感じがして、モチベーションが下がってしまう。下手をするとソフトチームとの対立感情にまで発展する。
正直自分もそういう感情を持った事があったが、メンバーにはシステム全体から見た立場で物事を判断しようと諭していた。
来る日も来る日も同じような作業をしているので、今自分がどこにいるのか見えなくなったりしてモチベーションが下がる。
そこでスケジュール表の目標のたびに飲み会をした。
「出図記念飲み会」とか「デバッグ完了飲み会」若手が担当している作業が終了するたびにメンバーで飲みに行くのである。
開発チームメンバーはあまり皆で飲み会をしたりしなかったので、初めのころは夜遅くまで飲み会が続き、翌日休みなどというメンバーもいた(笑)
今日が「○○作業の完了納期」という日の定時後に飲み会を設定するので、担当者は数日前から頑張って仕事を終わろうとする。「○○飲み会」が設定してあるので、今時分たちが開発のどこまで来ているか実感できる。という程度の効果はあったと思っている。
今だったらもう少し違う方法(財布と肝臓に優しい方法・笑)をすると思うが当時はこんな事をしてチームメンバーのモチベーションを維持するようにしていた。
このコラムは、2008年11月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第64号に掲載した記事です。
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