日本総研、生産改善技術で17社と交流組織


 日本総合研究所はグンゼや自動車部品製造の住野工業(広島市)、ブラザー精密工業(愛知県知立市)など17社と生産改善の技術交流組織「TOCユーザー会」を立ち上げた。相互に工場見学や改善事例を紹介し、生産性向上につなげる。

 日本総研が生産工程の最適化などの改善技術を指導しているメーカーが参加する。グンゼの宮津工場(京都府宮津市)や住野工業の本社工場など参加企業の36工場では、生産納期の短縮や仕掛かり在庫削
工場との価格競争で毎年コスト削減を求められるなか、生産性向上が続かなかったり、改善活動が停滞するといった課題も抱えていた。

(NIKKEI.NETより)

「TOC」というのはゴールドラットが「ザ・ゴール」で書いた制約理論の事だ。Theory of Constraintsを略してTOCといっている。

企業活動の全工程の中でボトルネックとなっている工程を制約条件として定義する。この制約条件が企業の利益を増やす鍵となる。TOCでは制約条件のスループットを上げる事により生産性を改善しようという考え方である。

非制約工程を制約工程に従属させる、すなわち制約工程の能力以上には生産投入しない。制約工程に着目してバッファを持つと言う考え方である。在庫ゼロ、リードタイム半減を狙う。

更に異業種間の交流が改善を加速するだろう。昔からある「NPS研究会」とは手法が違うが、同じ発想である。

TOCの詳細に関しては「在庫ゼロリードタイム半減TOCプロジェクト」という書籍にTOCを導入した3社の事例が紹介されている。こちらを参照されると良いだろう。

TOCやNPSに限らず異業種間で改善の切磋琢磨をすると言うのは大きな効果が期待できる。中国でもこういう活動を広めてゆきたいと考えている。


このコラムは、2008年12月1日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第66号に掲載した記事です。

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