中国自動車メーカー、ボルボ買収か 


 【ロンドン=尾形聡彦】英紙タイムズ(電子版)は10日、米自動車大手フォード・モーター傘下のスウェーデンの高級車ブランド「ボルボ」が、中国の大手自動車メーカーの長安汽車(本社・重慶市)に売却される可能性があると報じた。実現すれば、中国メーカーが、高級車市場に大きな足がかりを得ることになりそうだ。

 報道によると、フォードと長安の幹部の間で先月、売却交渉が行われたという。両社は中国で合弁事業を行うなどもともと関係が深いという。経営難に陥っている米フォードは、米政府に資金支援を要請する一方、傘下のボルボ売却を検討していることを明らかにしていた。

(asahi.comより)

衝撃のニュースだ。
以前聯想(レノボ)がIBMのPC部門を買収した時より驚きだ。この時は中国は既にPC生産の世界拠点として機能しており、周辺産業を含めて成熟していた。中国企業がIBMのブランドを買ったということで衝撃はあったが、モノ造りの面では既に中国企業も十分PCの世界的メーカになる力を持っていた。

しかし今回は自動車メーカである。
自動車メーカを支える部品メーカを含めて、中国自動車メーカの実力はまだ2歩、3歩遅れていると感じている。人の命を乗せて走る自動車に不良があってはならない。品質面でまだ中国の自動車メーカが世界に製品を輸出するのは早いだろうと思っていた。

クライスラーとの提携解消で奇瑞汽車は政府から1350億円の資金援助を取り付けたという報道もある。この資金で奇瑞汽車は米国市場への進出を独自に狙うことになるのだろう。

米国自動車産業の落ち込みが中国自動車メーカの成長を助けた形になっている。自動車産業の世界勢力に中国企業が割って入ってくるのはそうは遠い先ではなさそうだ。


このコラムは、2007年12月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第70号に掲載した記事です。

【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】