私たちはデータを集めて分析することが重要だと考えている。例えば不良のデータを集め、不良対策を検討する。工程毎の作業時間の計測データを集め、工程編成効率を計算し改善する。顧客アンケート(言語データ)を集め新製品の商品企画を検討する。データに基づいた仕事の進め方が推奨され、多くの人がそういう仕事の進め方をしているだろう。
データは過去のものだ。過去の悪さ加減を分析し改善する活動には効果を発揮する。しかしありたい未来を実現するのは過去のデータではないだろう。
顧客アンケートも顧客の過去の体験に基づくものであり現在の願望だ。
アップルのマッキントッシュもバルミューダの扇風機も顧客アンケートから生まれた訳ではない。新しい未来を築くのは優れた人(飛んじゃってる人)の思いつきなのではなかろうか。
では、私たちデータ重視型の凡人はどうすればいいのか?
私たちが得意なのは、データを分析したり、物を作り上げる、物を作る工程を作り上げることだ。「飛んじゃってる人のアイディア」を実現するのは私たち工業、工芸に携わる人間の役割だと思う。
今私たちに必要なことは、飛んじゃってるアイディアに対する拒否感を捨てるとこだろう(笑)
このコラムは、2020年6月12日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第992号に掲載した記事です。
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