お祭り騒ぎ


 今回のメルマガの「お祭り騒ぎ」と言うタイトルからどんな内容を連想するだろうか?賑やかでポジティブな内容を想像される方もあるだろう。しかしちょっとネガティブな内容だ。

釣りをされる方は「お祭り」は好まないだろう。釣りの仕掛けが絡んしまう事を「お祭り」という。絡んだ仕掛けを元に戻す最中は餌の付いた針は水中にはない。その間は魚釣りという作業にとって必要だが、全く価値のない作業となる。

ここまで書くと、はは~ん林の言いたいことは想像がついたぞ、と内心思っておられるだろう(笑)

先日、紙製袋物の工場に行ってきた。宅急便の袋、通販カタログなどを入れる袋を生産している。この工場は、袋を展開した材料を折りたたみノリ付けする全自動の設備を持っている。同業の工場で指導した事があるが、この種の設備を見るのは初めてだ。

工場を訪問した時は、年末顧客に配る来年のカレンダーを生産していた。
大勢の作業員を投入してまさに「お祭り騒ぎ」だった。

1月から12月までの月ごとのカレンダーを山形に折って12枚セットで箱に入れ熱収縮フィルムで包装する。そんな作業を事務員さんまで投入してお祭り騒ぎで生産していた。

全自動の糊付け・折りたたみ設備で月ごとのカレンダーを作り、後工程で12枚揃え箱詰めする作業を大勢の人員を投入して作業していた。

全自動の糊付け・折りたたみ自動機は0.4秒間隔で1枚生産可能だ。一方12枚揃え箱詰めする作業は27秒かかっている。
冷静に考えれば、12枚のカレンダーを糊付け・折り自動機は5秒で完了する。後工程の箱詰め作業は6人もいれば十分なはずだ。

しかし月ごとにまとめて自動機が吐き出すカレンダーを移動させる人、月ごとに揃えて箱詰め作業者に供給する人などが、製品を移動させるだけの価値を生まない作業に従事している。

しかし自動機に投入する際に12ヶ月セット投入すれば、箱詰め作業者にそのまま渡せるはずだ。冷静に考えれば、簡単にわかることだが「お祭り作業」をしている当人たちにとっては「納期プレッシャー」で冷静な判断ができなくなっているのだろう。

多分この工場は年に一度、カレンダーの生産を受注しているのだろう。毎年同じ様な「お祭り作業」に追われ、今年もかという諦観があるのだろう。営業担当者も通常の(利益が出る)受注を手放すわけにもいかず、赤字でも仕事を受けているのかもしれない。(お祭り作業の文員さんの労務費はコストに算入してない?)

残念ながら、私の話を聞いた営業責任者は意味が理解できなかった様だ。
顧客の要求納期を守らなければ、の一点張りだった(苦)
少人数であっても、正しく工程設計をすればコストだけでなくリードタイムも短縮できるのは理の当然だ。


このコラムは、2021年12月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1227号に掲載した記事です。

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