事故は繰り返す・赤リン


パナがリコール、ドアホンが相次いで発煙 いまさら赤リンのなぜ

 問題なく使えていた自宅のインターホン。ところが、7~9年たったある日、突然、発煙する──。パナソニックが製造・販売するインターホン「テレビドアホン」の室内側モニター親機(以下、親機)の発煙トラブルが2019年9月
以降に相次いでいる。このうち、4件が火災認定事故となり、同社は21年12月1日にリコールの実施に踏み切った。

 対象は、「VL-MV18」「同20」「同25」の親機の3品番(セット品番では4品番)と、その修理用基板。合計で12万9792台をリコールする。製造期間は12年7月~12月。パナソニックは「製品内部の基板パターンの安全機構および基板
や筐体(きょうたい)に使用している難燃材料により、製品の温度上昇が収まる構造となっており、本体からの発火や拡大被害に至る危険性はないと判断」していると説明する。

日経クロステックより

赤リンによる発煙、火災事件は昔から繰り返している。
参考:トラブルは繰り返す

過去にTV受像機のフライバックトランスからの発煙・発火事故が多発。
フライバックトランスの絶縁樹脂の難燃材料を赤リンからブロム(臭素)に切り替えた。これでTV受像器の発煙・発火事故は激減。
しかし環境問題に対応するRoHS指令によりブロムが使えなくなる。材料メーカは赤リンの耐湿性あげることで、難燃材料・赤リンを復活させる。

しかしその後、ハードディスク装置からの発煙事故が多発。原因は赤リンだ。
フィライバックトランスの様に高電圧25kVがかかっているわけではないが、ハードディスクドライブ制御IC内部のパターン間隔はμmを切っている。電圧が低くともパターン間の電界は高いだろう。
耐湿性向上に限界があるのか、耐湿性に寿命があるのかわからないが事故は発生し続けている。

部品内にある臭素を回収する方法を開発するのが次善の策かもしれない。


このコラムは、2021年12月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1228号に掲載した記事です。

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