ゼロエミッション工場


 友人が広東省の田舎の方に新しい工業団地を造るつもりだと聞かされていた。
その後忙しさにかまけてご無沙汰を決め込んでいたが、「華南マンスリー」という月刊雑誌に彼の工業団地の記事が出ていた。

工場内の空き地を利用して農業をやっているそうだ。
従業員食堂の残飯を堆肥にして野菜を栽培する。その野菜は従業員食堂の食材になる。これぞ究極のゼロエミッション工場だ。

製造4.5課というのが農業担当の部署だそうだ。彼らの努力が実り従業員食堂だけではなく市場にも緑色食材を供給する事が出来れば、製造4.5課は製造5課に格上げされる。

中国では農産物の量、質(安全)ともに不安がある。
農業がこれからの有力ビジネスになるに違いない。日本にも大学生が就職希望に来る農場があると聞いている。

彼の工場では不況で生産量が落ちても、従業員を解雇しない。空いた時間で人材が活性化する活動を行っている。
まさにピンチをチャンスに変える発想だ。
これも人材のゼロエミッションと考えても良いだろう。


このコラムは、2009年4月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第92号に掲載した記事です。

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