認識レベルを上げる


 色々な企業の改善活動を指導していて、ほとんどの人が短期間で成長する。
しかしなかなか成長出来ない人が稀にある。その違いを考えると「認識レベル」の差だと思う。
なかなか成長出来ない人の特徴は、認識レベルを変えられない人だ。

こういう人は、改善の手法を学ぶよりは、まず認識レベルを上げる事が重要だ。

認識レベルを順に並べてみると、
レベル1:問題を認識出来ない。
レベル2:問題は認識出来るが、改善に取り組まない。
レベル3:問題を認識出来、改善が自分の課題と認識しているが改善出来ない。
レベル4:問題を認識出来、改善出来る。

レベル1は、単純に問題意識が低い場合と、問題意識はあるが視野が狭く問題を認識出来ない場合がある。このレベルは、実際に改善活動をしたり、他所の現場を見ることにより、比較的簡単に卒業出来るだろう。

レベル2は、自己認識が足りていない場合が多い。班長さんに「改善は君の仕事だよ」と言うと「え?」と聞き返すタイプだ(笑)
作業し辛い、不良が出易い、と認識はしているが、改善は自分の仕事だと考えていないので、「設計が悪い」「作業方法が悪い」と不満ばかり溜め込んで居る場合がある。ようは他人に依存しているから不満がたまるのだ。
長年他力本願で仕事をし続けていると、意識を切り替えるのが難しいが、依存から自立に変わると、自由が広がる事に気がつけば、自分から変わることができる。

実践でレベル1を卒業すると、レベル2を飛び越してレベル3に到達するのが普通だ。

レベル3とレベル4の差はさほど大きくはない。
経験の差だけだ。これは訓練でいくらでも差を埋められる。訓練で経験を積み、進んで改善をする様にモチベーションを上げてやれば良い。

稀に、レベル2のまま職位だけ上がってしまった人を見るが、こういう人を指導するのは骨が折れる。業務をこなす事が出来るだけの人を、昇格させるとこういう結果となる。上位職に昇格するための必須要件として「改善」を入れておかれるのが良いと考えている。

間接部門も同じだ。毎月の経理報告を翌月○○日までにまとめるのが仕事だと認識していると、毎週経理速報をまとめれば戦略的経営に役立つはずだ、と言う発想は生まれない。

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