以前指導していた台湾資本の中国工場でこんなことが有った。
ここの工場ではQE(品質エンジニア)がお客様からの不良返却品に対し、再発防止などの対策書を作成することになっていた。
しかし彼らは現場はおろか返却された不具合品もあまり見ることがない。返却不具合品は専門の解析チームがあり、彼らが原因解析をする。対策はQEが机の上で作文をする。報告書に必要な写真があれば、解析チームに依頼する。
報告書の作成に手間取っていると、不具合品はすでに廃棄されていたり、修理されていることすらある。
これでは永久に不具合は減らないだろう。
私は彼らに「問題は現場で発生している。答えも現場にある」としょっちゅう発破をかけ、机に座っているQEを現場に追い出していた。毎朝前日発生した工程内不良の会議にもQEを参加させて、現場で不具合発生や対策の効果を確認させた。
彼らをオフィスから追い出し、現場に有る解析チームの横に机を持っていった。
こうすることにより、彼ら自身の改善がスタートしたといって良いだろう。
現物・現場から離れたところの発想では何も生まれない。まさに「問題は現場で発生している。答えも現場にある」
私の友人コンサルタントは「モノは有るから見えるのではない。見ようと思うから見えるのだ」と口癖のようによく言う。これが彼の信条だ。
改善・問題解決のための答えはいつも現場に有る。
このコラムは、2007年1月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第17号に掲載した記事を加筆修正したものです。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】