ローパー


 ローパーと言う言葉を聞き、意味が分からないのでネットで検索してみた。出るわ出るわ(笑)26万余件ヒットした。

ネットの情報によると、ローパフォーマンス社員を省略してローパーと言う。
ローパー社員を辞めさせるアドバイスをする人材会社が有る。
故意にローパーを装って、会社から解雇させ裁判沙汰にし和解金をせしめる「悪質ローパー」それを見習う「模倣ローパー」などもいる。
フリーランスで働いている人から見れば、パフォーマンスを発揮出来なければ淘汰されるのが当たり前。会社員だからパフォーマンスを発揮しなくても給料が保証されるのはおかしい。と言う事になるだろう。

しかしあえてローパーと言う言葉や扱いに疑義を呈してみたい。

パフォーマンスを発揮出来ない社員に対する雇用側の責任はないのだろうか?
社員の意欲を高め、教育訓練をするのを企業の「責任」とは言わないが、企業活動として当然の事だろう。この点に関して何も語らず、ローパー社員を非難するのは天につばをする様なものだと思える。

悪質ローパーを採用してしまった責任はないのだろうか?前職でも同じ手口で和解金をせしめていたと、後から分かったのならば、採用時に確認する手だても有ったはずだ。

本来良質な人材を提供する事が業務であるはずの人材会社は「悪質ローパーの見分け方」や「人材のパフォーマンスアップ」をコンサルするのが,本来の仕事だろう。勝手な基準でローパ社員の線引きをし、解雇の指南をするのは本末転倒だ。

50歳を超えて役職もないダメ社員などと言っているが、50歳を超えても安い給与で働いてくれる社員だと考えるべきだろう。パフォーマンス以上の給与を支払っているとすれば、会社側の給与規定がおかしいだけだ。

私には、自らの責任を放棄して、相手方を一方的にローパーなどと決めつけて、自己正当化をしているだけの様に見える。


このコラムは、2016年3月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第469号に掲載した記事です。

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