雇用の未来


 『電脳化』によって今後20年で74%の仕事は自動化される、という衝撃的な研究結果があるそうだ。

工場労働者の大部分の仕事は、既にロボットによって代替え可能だ。

自動運転技術の完成度は相当高いレベルになっていると言う。高速道路を先行車に追従するくらいならば既に自動運転が実用可能のレベルらしい。この様な技術により、運転手という職業は無くなる。

既にアマゾンが実証試験をしているドローンによる宅配が一般化すれば宅配業という仕事に関与する人の大半は職を失う。

この様な「ガテン系」の職種ばかりではない。
AI(人工智能)技術の進歩により、株式・為替取引,投資・融資等の金融業界の職業もなくなる。

人との関わりが大きな比重を占めるサービス業も、同様な方法で計算機化が可能だ。ビッグデータから得た会話データを顧客に投げ、表情を分析する。表情分析で得られた情報、相手の応答をフィードバックして次の会話を選択すれば、KYな(雰囲気を読めない)人間よりよほどスムーズな会話をする事が出来るだろう。
バーテンダーの仕事が計算機化される確率は77%だそうだ。

ではコンピュータにそのようなアルゴリズムをプログラミングする職業は残るか?しかしコンピュータエンジニアも楽観は出来ない。
AI技術の一つのキモが、ディープラーニングだ。膨大なデータから自動学習し、得たい結果と原因の相関を一瞬に計算し、望ましい答えを出す。
従ってアルゴリズムを見つけ出すのも計算機化されてしまう。

私の様なコンサルタントの仕事もなくなるだろう。
では人は何をして暮らして行けばいいのだろう。する事が無くなれば、多分人類は退化し滅びるだろう。そしてコンピュータだけが残り,既に滅んだ人類にサービスする目的で世界を制御し続ける。

まるでSFの世界だ。
60年後の私は、コンピュータ支配と戦う革命戦士か、コンピュータにサービスを提供する服務員だろう(笑)


このコラムは、2016年12月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第505号に掲載した記事を加筆修正したものです。

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