定義をすると言うことは重要であるが、意外と疎かにされているのではないだろうか。
例えば5Sの定義は出来ているだろうか?
整理・整頓・清掃・清潔・躾け、全て言葉として理解できる。
しかし5Sで整理と言った時に、何のために何をどうすればよいのかは、言葉の理解とは別ものだ。
全員が、整理とは何のために何をどうしなければならないのか、理解できるようにするのが定義だ。
空間の2点を決定すれば、直線は唯一つに定義できる。
同様に目的(何のために)と方法論(何をどうする)の2点を決定しておけば、モノゴトは定義が出来るはずだ。
では「改善」はどのように定義をしたら良いか?
改善の目的と方法論は、
目的:仕事の期待成果を効率的に達成する。
方法論:仕事のやり方を選択または変更する。
となるだろう。
つまり改善を定義すると、以下の様になる。
「仕事の期待成果を効率的に達成するために、仕事のやり方を選択または変更すること」
従って改善とは仕事そのものである。
「日々の生産・出荷に終われて、改善の時間が無い」と言うのは言い訳に聞こえる。時間がないから仕事をしないと言う理屈はありえない。
しかし、優先順位があるのも事実だ。まずは出荷をしなければ、改善をしても意味はない。
問題は、改善と言う課題に対して、時間と言うリソースが不足している。
このような問題を解決することが「経営」だ。
必ずしもこういう問題を放置しているわけではないと思う。
しかし有効な解決策を見出していない状態は、ただ悩んでいるだけと同じだ。
このような状態が続けば、近い将来出荷さえままならなくなるだろう。
時間リソースは一人ひとり有限だ。しかし借りてくることは出来る。借りてきた時間で改善をする。改善できた時間で更に改善する。
このようにして、組織の中に改善文化を築けば、強い競争力を手に入れることが出来る。
このような決断をすることが「経営」と言うことだろう。
このコラムは、2012年1月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第242号に掲載した記事を加筆修正したものです。
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