川中産業の逆襲


 メルマガ293号でスマイルカーブについてコラムを書いた。
「スマイルカーブ・再び」
つまり笑っている口元の二次曲線の縦軸が付加価値を示すとすると、ボトムの所が製造業。付加価値の高い両側が、設計、サービスだという理論だ。

製造部門に携わっている方には夢も希望もない理論だ。
同じ製造業でも、川上(素材、原料)川中(部品)川下(完成品)に分けると、川中がスマイルカーブの真ん中であり、付加価値が低い所となる。

つまり川中産業の顧客である川下産業からは、コストダウンを要求される。
無理難題も飲み込まなければ、注文が貰えない。
仕入れ先の川上産業からは、コストアップの一方的な通達を受ける。
拒否すれば、原材料の仕入れが出来なくなる。

そういう産業構造に耐えるだけではなく、改革をしようとコラムで提案した。

コラムを読んだ友人に勧められ
『崖っぷちの会社』が生まれ変わった3つの方法」という本を読んだ。

著者の中山氏は、成熟産業である紙加工業(川中産業)を生業とし、しかも工場は地方都市の零細企業だ。三代目経営者として経営を引き継いだはよいが、倒産寸前まで追い込まれる。
そんな状況から1年間で業績を155%アップさせた。

復活を果たした彼の戦略は、
・技術(ノウハウ)を公開する
・コミュニティを作る
・ブランドを作る
この3つで業績を上げた。

私がいつも提案していることを、実現されている。
こういう状況を実現すれば、「下請け体質」から脱却出来る。
業績が上がるだけではなく、仕事が楽しくなるはずだ。


このコラムは、2013年2月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第297号に掲載した記事を加筆修正したものです。

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