善きことはカタツムリの速さで進む


 「善きことはカタツムリの速さで進む」ガンジーの言葉だそうだ。

非暴力、非服従で大英帝国から独立を勝ち取ったインド独立の父・ガンジーらしい言葉だ。何度投獄されても,非暴力を貫いた。暴力を持って戦うより,非暴力で戦う方が何倍も勇気がいる。

この言葉を鬼丸昌也氏から学んだ。

「僕が学んだゼロから始める世界の変え方」鬼丸昌也著


鬼丸氏は、学生時代にNPO法人テラ・ルネサンスを立ち上げ,カンボジアの地雷撤去活動,ウガンダで少年兵士の社会復帰支援活動などをして来られた。
彼は「全ての人に未来を造り出す能力が有る」ことを信念としている。
人は微力だが,無力ではない。と言うことだ。

まだ35歳と言う若さだが,素晴らしい考え方と行動力を持った人だ。

原因さえ変えれば,どんなに時間がかかろうとも,必ず結果が変わる。もしも自分自身の中に全ての問題の原因が有ると考えることができれば,自分自身を変える事で、世の中を変えることができる。自分が変革の主体となる事が出来るのだ。世の中を変えるための第一歩は,問題を認識する事だろう。

先日工場の経営者と話をしていて,現場のリーダに当事者意識が薄くて困る,と言う話題になった。
品質保証部は,検査をする事が仕事ではない。お客様に品質を保証するために仕事の一部として検査をしている。品質保証の重要な仕事に,品質改善も有る。
製造部のリーダは,作業員に計画通り生産をさせる事が仕事ではない。作業員が仕事をし易い様に改善することで,品質や生産量を上げる事が仕事だ。

全ての問題の原因は,自分の中に有り,その問題を解決する主体は自分自身だ、と言う事実に気が付けば,毎日の仕事は楽しくなるはずだ。

ただし、善きことはカタツムリの速さでしか進まない,変化の速度が遅いと成果が見えずに心が折れる。自分自身の成長を俯瞰視出来る様な工夫をする。上司は,部下が自己成長に気が付き,より成長を加速する様に手助けをする。

「忍耐」に期待するよりは、この様な工夫や努力が効果を高める。


このコラムは、2014年7月7日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第369号に掲載した記事です。

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