先週お邪魔した電子応用製品の生産工場は静電気の管理が良くできていた.
導電材料で床が接地されており、作業員は(見学者も)導電性の靴を履いている.
しかしそこまで静電気対策ができているのに作業員はみな静電気防止用のリストストラップを着用している.
この工場はセル方式の生産ラインを組んでおり、作業者は立ち作業である.この場合リストストラップの接地線は、作業者の行動範囲を限定する.又機械取り扱い作業者はリストストラップをすることにより、接地線が機械に巻き込まれるなどの作業安全上のリスクもある.
導電床に導電靴を使用していれば静電気防止ができているのになぜリストストラップまで使用するのか尋ねてみた.管理者の方はお客様の指摘によりリストストラップを使用せざるを得ないとおっしゃっていた.
生半可な知識で生産協力工場の指導をするものではない.
私も前職勤務中にお客様の監査を受けたときに、不条理な要求・指摘を受けることがまま有った.その都度きちんと説明をして納得いただくよう努力をしていた.
中には自説を金科玉条とし聞き入れていただけない場合も有った.
時にはリストストラップの接地線の抵抗が1MΩもある、切れかかっているのではないか.というご指摘を受けたこともある(笑)その都度きちんと説明している.そういう積み上げで監査官の方との信頼関係ができてくるのだと思っている.
中国の工場を指導して回っていたときに、こちらの指摘に対し「すぐ改善します」と素直に受け入れるのだか、次回訪問してみると何もやっていないことがよくあった.「お客さんだから頭を下げておこう」的な発想だろうが、こういう工場は印象が良いだけで内容がまったくない.
このコラムは、2008年1月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第17号に掲載した記事に加筆しました。
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