TMP


 このメルマガで「TMP」について書いたことが何度かある。ご記憶の方もあるだろう。念のため再度説明すると「TPM」とはTPM(トータル・プロダクティブ・メインテナンス)のことではない。トータル丸パクリを略して「TMP」と言っている。

他人様のやっていることを丸パクリしよう、と肯定的に使っている。人真似はよくないという風潮があるが、まずは他所でうまく行っている方法をそのまま真似てみる。やって見た上で、自分たちに合うように改善すればよい。
何もしないうちから、できない理由を並べ立てても何も進歩はない。まず真似て、独自のモノを作り上げればよい。そんな考えが「TMP」だ。

今読んでいる文章術の本にこんな言葉が出てきた。
「一箇所から盗めば盗作。いろいろなところから盗めば情報収集」
著者のワインバーグ氏は、石ころをたくさん集めて壁を作るようにして文章を作れと言っている。それでは文章の創作ではなく、文章の盗作ではないか、という読者の疑念に対し先手を打った言葉だ。

参考:「ワインバーグの文章読本」

一冊の書籍、一編の詩歌から石ころ(言葉)を集めて文章創作をすれば盗作。
多くの書籍、多くの詩歌から石ころ(言葉)を集めるのは情報収集である、という主張だ。
ちなみに上記のワインバーグ氏の文章は、ちゃんと出所を記してあるので、盗作ではなく引用だ。

「TMP」に抵抗がある方のために我々業界には都合の良い言葉がある。「ベストプラクティス」と言えば耳障りは良い。しかしやることは「TMP」と同じだ。

全く同じ言葉を使っても文章を書くことができる。盗作かどうかは類似点の全体に対する割合により判断されるのだろう。

マネジメント手法は、そのまま真似しても組織の特性が違えば機能しない事が多いはずだ。それでも丸パクリをしろと言っているのは、あれこれ考えるよりまずやって見てうまくゆかないところを改善せよ、という意味だ。


このコラムは、2018年5月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第672号に掲載した記事に加筆しました。

【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月・水・金曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】