先週配信のメールマガジンで、JR西日本の車両点検職員に対する安全意識向上研修について取り上げた。
トンネル内を疾走する新幹線の風圧を体感することにより、本当に事故防止が可能とは思えない。属人的な要因に左右されない作業方法による事故防止対策を検討すべきという意見を書かせていただいた。
そんな折にTV東京「カンブリア宮殿」でJR東日本の冨田会長を取り上げているのを見た。番組の中で冨田会長は「安全は守るものではなく、作るものだ」と語っていた。
国鉄民営化直後1988年に中央線の追突事故が発生している。
JR東日本は、この時の事故車両を展示する施設を作っている。職員の安全意識を高めるという点ではJR西日本の風圧体験研修と同じかもしれない。しかしこの後が違う。事故後の5年間で1兆円の安全投資をしている。事故防止には職員全員の安全意識が必要であるが、それ以上に経営者の本気度が重要だ。
「安全は守るものではなく、作るものだ」という言葉が経営者の本気度を象徴しているように思える。
このコラムは、2018年10月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第739号に掲載した記事に加筆修正しました。
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