先週のニュース、アマゾンロボット競技会で日本チームの敗退を取り上げ「問題設定力」について考えた。今日は別の事例で「問題設定力」について考えたい。
先週は中国民営企業で指導をしていた。設計、購買、生産、品質部門を集め、各職場の一番困っている問題を出してもらった。
経営幹部にも参加していただき、現場が出した問題点を「すぐ改善」「調査」「やらない」の三択でその場で結論を出して行く。
金型修理(200万元)や新規設備の購入(十数万元)がその場で決まって行く。こういう取り組みが現場職長の改善に対するモチベーションを上げる。
プレス金型が古くプレス品を組み込んだ後に修正作業が発生している。設備の温調が壊れており、夏場は日中に作業が出来ず、出勤時間を変更して対応している。など現場職長が、上申しても受け入れてもらえないと、諦め感を持っていた所を意識改革出来た。
「調査」となった問題点の一つに、作業場が狭く生産効率が悪い。レイアウトを変更したいと問題提起した現場職長がいた。
会議終了後、即職長と一緒に現場確認をした。
確かに生産効率の悪いレイアウトになっている。しかし問題点はレイアウトが悪い事ではなく、生産現場に今必要でない物が沢山置いてあり、生産スペースを圧迫している事である。
「適時に部品調達出来ていない」が真の問題だ。
今必要ない部品は沢山あるが今必要な部品が足りない、と言うのが問題であり「適時部品調達が出来ない」が正しい問題設定だ。
「レイアウトが悪い」と問題設定すれば、解決方法は限定される。
「適時部品調達」を達成すればレイアウトの自由度は倍増するはずだ。
実はこの指導は私の助手がしており、私は適時調達が解決した後のレイアウトを検討していた(笑)
このコラムは、2016年7月25日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第486号に掲載した記事に加筆しました。
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