ローソン、5000店で店内調理 カツサンドなど提供
ローソンは2015年春までに、カツサンドやおにぎりを店内で調理する「まちかど厨房」を現在の3倍強の5千店に広げる。全店舗の半数にあたる。総菜・弁当工場で作った商品よりも価格、利益率ともに高い。コンビニエンスストアの既存店売上高が苦戦傾向にあるなか、できたての軽食を集客の目玉に据え、カフェやファストフード店から客を取り込む。
まちかど厨房は、仕入れた食材を店員が店内で調理して販売する。「厚切りカツサンド」は398円と通常のサンドイッチの2倍近いが、厚さ2センチメートルのカツの食べ応えが人気。導入店舗のうち、早朝や夜間の利用も見込める店では調理パンなどのほかに、おにぎりや弁当など最大20品を扱う。
店内調理品の1日の平均売上高は2万円で、購入した客の平均客単価は購入していない客に比べて2~3割高いという。
現在は1500店で展開しているが、13年度末に2500店、14年度末には5千店と全店の5割程度に引き上げる。
導入店では店員の休憩スペースなどを割いて、5~10平方メートルの調理スペースを確保する。年900店程度の新店の大半にはあらかじめ設け、加盟店のオーナーに働き掛けて既存店の改装を促す。費用は200万円程度。
並行してローソンは、いれたてコーヒーの導入店を13年度末に8千店と現在の2倍に増やす。コーヒー導入店にまちかど厨房を組み合わせ、カツサンドなどとの同時購入を促す。ファストフードやカフェの客を取り込む狙いだ。
店内で調理したできたて商品の提供では他のコンビニエンスストアにも広がっている。サークルKサンクスは全店舗の4割にあたる約2500店でコロッケや春巻きなど主に揚げ物を扱い、夕食のおかずとしての利用を見込む。ミニストップは全約2200店で、店内で握ったおにぎりや空揚げなどを販売している。ただ、最大手のセブン─イレブン・ジャパン、ファミリーマートは現段階で、店内調理品を手がける予定はないという。
(日本経済新聞・電子版より)
いつもと毛色の違うニュースを取り上げた。実はこれには、チョットした理由がある。
先週読者様からこんなメッセージをいただいた。
※K様のメッセージ
大変面白い企画でした。経営コンサルタントをしていますが、企業や経営者が自社の製品・商品が売れないと嘆くだけで、逆に何故売れないのかを考えればその結論の反対をすれば売れる可能性が見えてきます。他社事例では良いアイディアが出るのに、自社については余り真剣に考えていないように感じます。
できればこのような企画を今後も希望します。
先々週「靴下拡販」のお題を出し、読者様のアイディアを先週のメルマガでご紹介した企画に、上記の様なご感想をいただいた。
読者様のご希望があれば、何としてでも応えようと言う姿勢で、メルマガを書いている。と言う訳で、第二弾だ(笑)
コンビニのファーストフード店化は、とどまる所を知らない様だ。
コンビニの淹れたてコーヒーの販売は、ドトールコーヒーやスターバックスにとって脅威だろう。コンビニの場合、コーヒー単体で利益を出さなくても、ついで買いの商品が沢山並んでいる。そう考えれば、戦略的にコーヒーの利益率を下げておくこともできるが、コーヒーショップは、コーヒーがメインの売り物だ。そういう価格競争に乗る訳には行かないだろう。
定食屋「大戸屋」は、セントラルキッチンを持たず、食材のカットから店舗での調理に徹していると聞く。さすがにコンビニでここまでは出来ないだろう。各店舗の厨房に対する投資が大きくなる事と、味を均一に保つ事が難しい。
「まちかど厨房」は他店との差別化、それによる売り上げ・利益率のアップを狙う作戦だろう。
さて、この作戦を我々製造業に応用してみよう。
製造業はほとんどの場合B to Bであり店舗などない。ここで考えを止めてはだめだ。更に一歩深く掘り下げる。
店舗とは「売り場」である。しかしこれは売る側の論理であり、消費者の立場から考えれば、店舗とは「買い場」である。
製造業にこの論理を当てはめれば、「買い場」とは「納入先」であり、お客様の「製造現場」であるはずだ。こう考えた場合、ニュースに取り上げた事例は、製造業にとって、お客様の製造現場で生産する、と言うことになる。
【今週のお題】
「まちかど厨房」のアイディアを製造業に応用してみよう。
ヒントとして実例を挙げよう。
タイヤメーカは、車メーカの組み立てラインの横にタイヤのミニプラントを持ち込み、車にタイヤを組み付けるタイミングでタイヤを生産する。こうすればタイヤの中間在庫は最大で4本しかなくなる。究極のJIT生産だ。ムダな在庫も輸送費もなくなる。
読者様の奇抜なアイディアをお待ちしている。
このコラムは、2013年10月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第332号に掲載した記事を改題・加筆しました。
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