灯油と間違えてガソリン販売 福岡の石油店


福岡県飯塚市川津の石油販売店「ラッキー石油飯塚店」(秋元潤一代表取締役)が、灯油を買い求めた客7人に間違えてガソリンを販売していたことが30日、飯塚地区消防本部の調べでわかった。客の1人は特定できたが、残る6人ははっきりしないといい、消防本部や同市が、店の周辺で広報車両や消防車両を走らせて注意を呼びかけている。同日正午までの段階では、このガソリンが原因と見られる火災の報告はないという。

 消防本部によると、29日午前10時ごろ、タンクローリー車から同店の地下槽へ灯油を補充する際、ガソリンと間違えた。気づいた店側が30日午前10時半ごろ、消防本部に連絡してきたという。灯油を買い求めた客7人に対し、ポリ容器に入れたガソリン計234リットルを販売していたという。

(Asahi.comより)

この手の事故は何度も再発している.業界全体で有効な再発防止対策が取れていないと判断せざるを得ない.

普通ガソリンスタンドでは,灯油の給油スタンドとガソリンの給油スタンドは別の場所に設けてある.ここでガソリンと灯油を間違えて販売することはまずなかろう.
推測だが,このように灯油とガソリンの給油スタンドを分けて配置するのは消防法などにより決められており,これに合致していなければ開業許可が下りない様になっているのではなかろうか.

しかしタンクローリーから地下タンクに給油する口は一列に並べてあるのが普通のようだ.
また給油口に「ガソリン」,「灯油」という表示がしてあるのを見た事があるが,もっと大きな看板の方が良いだろう.

灯油とガソリンの地下タンク給油口を別の場所に配置する.
こうすると灯油を給油しに来たタンクローリィの停車位置は,ガソリンの場合と異なる.間違いがあれば一目瞭然だ.

しかし既に給油口を設置してあるガソリンスタンドに対し給油口の位置を変えなさい,と行政指導をすると販売店側の負担が大きくなり,なかなか守れない.
罰則付きの強制指導とした場合業界から一斉に反発が来るであろう.ただでさえ廃業しているガソリンスタンドが出ている業界である.

現実的な再発防止対策はどうしたら良いであろうか.
皆さんの中にガソリンスタンドを経営しておられる方はいないであろうが,ヒューマンエラーを防止するための対策を検討する時の訓練になると思う.


このコラムは、2008年11月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第59号に掲載した記事に加筆修正しました。

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