大阪北部地震で発生した小学校の違法建築ブロック塀倒壊により小学生が死亡する事故が発生した。専門家が過去に危険性を指摘しているにも関わらず対策がなされていなかった。
同様な事故は過去に何度も発生している。これは明らかに「人災」だ。
被災地の写真を見ると、他にも民家のブロック塀が倒壊している。こちらは写真を見る限りブロック塀には鉄筋は入っていなかった様だ。また地震がなくても、ブロック塀除去作業中に倒壊したブロック塀により作業者が死亡している事例がある。
多くの前例があるにも関わらず、再点検により倒壊の危険があるブロック塀が全国で多数見つかっている。
金がないなどの理由があるのかもしれない。しかし最優先せねばならないのは人命だ。政府は直ちに建設国債を発行し、助成金を全国にばらまくべきだ。日本の国債は現在品薄で価格が上昇していると聞く。1兆円程度の国債を発行したところで問題はないだろう。1兆円程度では2%のインフレ目標を達成できないかもしれないが、60年後100年後の物価が上昇していれば償還は屁でもないはずだ。
我々も自分の周りの潜在リスクを考えるべきだ。
うちの工場にはブロック塀などない、という方は視野があまりにも狭すぎる。
食堂や休息室にある自動販売機は倒れないか?
生産設備で倒れる可能性がるものはないか?
従業員寮の二段ベットは倒れないか?
もっと言えば地震以外の災害も考慮に入れるべきだろう。
これを全社で展開する。一部の幹部だけでやるのではない。従業員全員に周知し提案を受け入れる。これで従業員の防災意識は高まる。そして会社が自分達の安全を優先して考えてくれていると感じれば、経営者に対する信頼度も上がるはずだ。
従業員の感謝と信頼がマネジメントのバロメータだ。
このコラムは、2018年6月27日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第685号に掲載した記事に加筆しました。
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